34.rain


side 愛桜


雨が少しずつ降り始めて、
ついには本格的に降ってきた。


『これで最後、かな。………………一護の霊圧の乱れが収まった?』


何があったんだろう。
黒崎一護。ルキアから死神の力をもらい、死神代行になり
現在は著しい成長をしてきていた。才能があるのかな?
そして今、母親をグランドフィッシャーに殺され、
その仇と対峙している。
おそらく今の一護じゃ、奴は仕留めきれない。

すると通信機が鳴る。
また兄さんかな?


『はい、もしもし?』

「……美園愛桜だな」

『……!!!』


その低くて、冷たい声。
私はその人を知っていた。


『…ぁ…兄は、どうしたんですか?朽木隊長』

「借りている。浮竹は元気だ」

『そう、ですか。……何か、御用でしょうか?』

「ルキアの捜索はどうなっている」

『…あ』


口の中が一気に乾いた。
この人に嘘をつくなんて、恐れ多くて出来ない。
するとこの一言。


「その様子だと、見つけたのだな」

『………!!』


背筋が凍る。
どうしよう。今まで黙ってたことを咎められるのだろうか。
そんな覚悟を抱いていたら。


「そのまま我々が到着するまでの間、監視することを命ずる」

『…え』

「これは総隊長命令だ」

『え、爺ちゃんの…?』


なにそれ、どういう事なの?爺ちゃん。


「用は以上だ。失礼する」

『あ、はい…』


そして通信が切れる。
それと同時に、グランドフィッシャーの霊圧に変化が出た。一護はきっと怪我をしている。


『ちよっと様子見に行こうかな』


そう思って、瞬歩をした。



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