33.weaken


side 一護


「はっ…はっ…はっ」

「どうした、名を呼ばれただけでもう身動きがとれんか!ひひ!」

「てめぇ…!」


自分が今何してるか、わかってんのか…!?


「んん?」

「おふくろの姿を!こんな場所にかつぎ出すんじゃ…、ねぇよ!!」


斬魄刀を振り上げた瞬間、おふくろの姿をした疑似餌は俺の間合いに入ってくる。


「だめよ、一護!刀を引いて!」


コイツはおふくろじゃねぇ!
おふくろじゃねぇのに…!!


「お願い……、母さんを斬らないで…!」


体が言うことを聞かねぇ…!!
やつはおふくろ越しに俺の体を貫く。


「言ったろう。“怒りは刃を鈍らせる”!終わりだ小僧!そして敬意を表しよう!!お前はわしが出会った中で最も若く、最も短慮で、最も弱い死神だった!!ひひひひひひひ!!!」


だが俺は。


「……あ……?」


やつの体に斬魄刀を突き刺した。


「……やっと…、…捕まえたぜ…!」


俺に突き刺さった手を掴む。


「“怒りは刃を鈍らせる”…か。確かにそうかもしれねぇ…。だけどなグランドフィッシャー。あんた一つカン違いしてる。テメー程度の奴を倒すには…、その鈍った刃で充分だってことだよ!!」


もう、外さない。


「終わりだフィッシャー!そして敬意を表しよう!テメーは俺が出会った中で一番年喰ってて、一番汚くて。そして、一番カンに障る虚だったぜ」


そして俺はそのまま横に斬魄刀を薙ぎ払い、
奴の左側を横真っ二つにした。

 

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