凾かいかさ

ふいに、目の前の女性のまつげが綺麗だなと感じた。
白く透き通るような、だけれど淡く熱を含む肌が雨の降る今日はやたらと映えていた。

「ねぇ、明日は晴れだそうよ。」

傘の隙間から吹き込んだ雫が、じんわりと彼女の頬を濡らしていた。
傘の赤が、肌の白に反射されて生きているかのような暖かさがあった。

気のせいか、彼女が薄く目を伏せたとき、晴れのような眩しさが自分を襲った。

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