話の途中でジュード君の性別が男子から女子に変わるので注意して下さい。

一瞬凄く軽蔑したような顔をして苦し紛れに放った貴方の言葉。
『っ、ほら、普通の男は男を好きになったりしないだろ?』
僕が貴方に思いを伝えた事はまったく後悔はしていない。
『だから酷い事をしたとは思ってるけど好きにはなれないんだよ。』


『御都合主義者の憂鬱』


早い話、僕は使い捨てにされたのだ。
僕は男だけどアルヴィンが好きだった、アルヴィンもそれには気づいていたみたいだけど。
偽りの愛を口ずさまれて僕は喜んで股を開いただけだった。

「ジュード、ミラの大切にしているものは何処にあるかわかるか?」
「んぇ、なんでっ..?!」
「教えてくれたらジュード君の事もっと好きになるし気持ち良くしてあげる」
「それは―」

情事の間に滑らした言葉は世界を歪めた。
でもその発端は僕にあるなんてこの世界でアルヴィンしか知らない。
だから世界が歪む事なんて僕には何も感じては居なかった。
ただアルヴィンが姿を消した事に精神がかき乱される程僕はおかしくなっていたのかもしれない。

「ア、アルヴィン!」
「..よう」

その後、アルヴィンの居場所を探した僕。
僕の姿を見た時のアルヴィンはとても不快そうな顔をしていた。
そんなアルヴィンにかまわず僕はアルヴィンに好きだと伝えた。
そして返って来た言葉はこうだった。

『っ、ほら、普通の男は男を好きになったりしないだろ?』
『だから酷い事をしたとは思ってるけど好きにはなれないんだよ。』

僕は使い捨てにされたのだと悟った。
アルヴィンに『悪いな』なんて言われてまた僕の目の前から姿を消して。
僕はとても哀しくなった。
だけど心とは都合が良い物で時間が経てば出来事を都合のいいように解釈してくれたみたいで
"男はだめ"、"女ならいい"という解釈をしたのちに"男の僕はだめ"だけど"女の僕はいい"と考えるようになった。

そう考えた僕は哀しかったのが嘘みたいに元気になった。
肉体を変えるのは苦痛を伴ったけどそこまで難しい事ではなかった。
それよりも難しいのは居場所の掴めないアルヴィンを探し、逃げられないようにする事だった。
女になった僕ならアルヴィンは愛してくれるけど"もしかしたら"また逃げるかもしれない。
準備だけは怠らなかった。そして僕はそれを決行して上手くアルヴィンを捕まえた。

「...っ、頭がガンガンするんだけど、何か盛ったの?...ジュード。」
「やっぱアルヴィンは凄いや!僕の存在を醸し出さなかったのに僕と気づくなんて。」
「目覚めて、この状況を見てジュードだと気づいたんだけどな。ここまで恨まれてるなんてな。」
「恨んでなんて無いよ、ただアルヴィンが好きなだけ。」
「随分悪趣味な愛情だな。」
「そんな事はどうでもいいよ、アルヴィン。見て欲しいんだけど。」
「....?!お前、その体...」
「これで、アルヴィンはもっと僕の事を好きになってくれるよね?」

そうして僕は信じられない様な顔をしたアルヴィンに馬乗りになった。
アルヴィンは何故か前よりももっと軽蔑したような顔をしていたけれど。

「アルヴィン?なんで起たないの?」





鍵の在り処を知りたいアルヴィンがジュードを利用して使い捨てた話。
男が俺を好きなだけで気持ち悪いと思っているアルヴィンが苦し紛れに性別が違うから好きになれないと曖昧に言う。
病んでしまったジュード君は「男だから駄目なんだね!」って解釈して女性にチェンジ。
女性になってアルヴィンに愛される気満々で居るジュード君。
だけどそもそもジュード君の事は利用するだけと考えていたので別に愛情を持ち合わせていないアルヴィン。
うえぇぇぇ..ってなるアルヴィン。終

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