僕は知らなかった。
きっと女を代わる代わる取り替えるように捨てる男だと思っていた。
人は見た目だけではないというのは本当の事だと思う。
まぁ、そういう風に見えた男好きになってしまった僕もどうしようもないと思うけれど。

「アルヴィン、起きてたの?」
「あー」
「あーじゃなくて、お酒臭いよ」
「んー」
「んーじゃなくて」
「ジュードくん、こっちきて」
「はいはい」

酒に溺れた彼の元へ向かえば酔っぱらった面で手招きしてくる。
諦めたようにひとつ溜息を吐いて彼の側に寄れば痛いぐらいに抱きしめて来る。

「遅かったな、ジュード」
「いろいろやる事が残ってたからね」
「寂しかった」
「だからって酒をこんなに沢山飲まなくても」

『こうすればすぐ時間すぎるから』と甘く切なく耳元で呟く。
出会った頃の彼はもっと強くて人間の干渉なんて受けないような人かと思っていた。
けれど知れば知る程彼は甘えたで愛情に飢えていて酷く寂しがりやな面が露呈された。

「ちょっと、アルヴィン」
「だめ?」
「べ、別にだめなんて言わないけど」
「ならいいだろ。ジュードくんあーんして」

言われるままに長い指先で唇を割られ酒に味がする舌を強引に絡ませた。
舐め回すように貪られれば熱が昇ってくる様な感覚が広がる。

「ジュードくんチューで感じてくれたの?」
「ん...」

全身を舐める様に触られ着ていた衣服はするりと脱がされてしまった。
そして片手で性器を、もう片手で後穴を弄られれば甘い声が部屋中を満たす。

「んっ、はっ...ぁ」
「ジュードくん顔真っ赤にして可愛いな」
「も、から..かわないっ..でよ..」
「ジュードくんうしろドロドロしてるな」
「ひぁっ」
「ここ好きなのか?」
「んぁっ」
「ココどうして欲しい?」
「ひゃぁっつ、つ、突..いて」
「指でいいの?」
「あ、アルヴィンので..突いて欲しい..っ」
「俺のがいいの?」

ひたすら焦らすようにイかない程度の力で弱い所を弄られれば女のような声が漏れる。
きっと彼は僕が辛い事をわかっててこうしているんだ。

「俺のことすき?」
「す..き」
「だいすき?」
「うん..」
「俺も大好きだぜ、ジュード」

腰を浮かされてアルヴィンの性器が狭い穴を押し広げ入って来る。
そして彼は僕の弱い所をひたすら突き耳元で『気持ち良い?』なんて聞いて来る。

「あぁっん..ぁ..」
「ジュードの中気持ちいい」
「ん、アルヴィン...んいいっ」
「俺も、イきそうだから。先に、イくなよ」
「う..ん」

急かすように弱い所を緩急を付けて突かれ、僕らは互いに白濁の液を放った。
アルヴィンは繋がったまま僕の顔を引き寄せて酒混じりのキスを再びした。

「んっ..」
「ジュードくん可愛い」

そういって彼が僕を"可愛い"と言い抱きしめるのも日常茶飯事。
溺愛という言葉がとてもしっくりくる、愛に溺れるか、溺れるように愛す、か。

「ジュード、明日も忙しいのか」
「やる事が沢山あるからね」
「早く帰って来いよ。」
「終わったらちゃんとすぐ帰って来るから」

彼は心底愛に飢えているんだろう。
彼はきっと母親のように一途に尽くす様な愛を求めていたんだろう。
だから母性が強く一途に愛してくれる人を欲していたんだろう。
僕は君のお母さんじゃないのに。
でも結局僕はどんなアルヴィンでも好きになってしまうのだから仕方がない。

「だから心配しないで待っていてね」


『愛の海に溺れました』





女の人と付き合う→愛が足りない→女の人と付き合う→愛が重くてふられるを繰り返した感じですね。

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