「あぁっ..ガ、ガイアス...!もっと...」
(違う、これは僕の意思じゃない...)
「奥にっ...あぁっ!んっ..!」
(違う、違う、違う、)

カン・バルクの城に幽閉されて、何日が過ぎただろうか。
甘く泣き叫ぶ僕を『淫乱』だと嘲笑い、敏感な肢体を陵辱されて、何日過ぎたのだろうか。
助けを呼ぶ事も抵抗する事もままならないこの大きな城で、僕は何日居たのだろうか。

「相変わらず、締め付けだけはいいな」
「ぁぁっっっ、あ」
「喘ぐだけでなく、何か言ったらどうだ」
「ひゃっ、ガ...あっ、」
「口にも出せぬ程良いと言う事か」

前立腺をしつこい程抉られて、双方共に白濁の液を散らす。
ベッド上で息を乱し、涙を流す僕に向かってガイアスは絶望の言葉を漏らす。

「今日も、来なかったな」
「...」
「お前のように他の男の名前を吐いては悦ぶようでは捨てられて当然だな」
「...」
「あいつは来ない。それにジュード、お前はこんなに俺を求めてるではないか」
「...」

それは僕の意思ではないのに―と苦言を漏らす事さえできない。
僕の心が彼を思っていても、体は違うらしい。
大切な話があると城に呼ばれ、脳を狂わす奇妙な臭いによって倒れ幽閉された。
そして心は望んでないのに僕の口は勝手にガイアスの名前を呼ぶ。

"お前のジュードはたった今、俺のモノになった"
"あ、どういう事だ"
"ほら、ジュード。鳴いてみろ"
"ひゃぁっっ、あぁっ、ガイアス..!ガイアス...もっと!"
"ジュード?!"

幽閉されて数時間後、僕の心とは遠い場所で、通信機器によって死の宣告は行われた。
きっと、僕に裏切られたと思い彼は僕を捨てるのだろうか。
脳の異変が過ぎ去りガイアスが就寝した時にはこんなに彼の事を思っているのに。

「本来ならば人質に投薬して俺を"主人"と思い込ませて情報を入手する為の薬がこんな風に役に立つとはな」
「...はっ...」
「残念ながら、お前の体における"主人"はあの男から俺に移動しただけだ」
「...あ..」
「気持ちよすぎて、何も言えぬか」
「あぁっ!イ..く..」
「随分、あの男に飼いならされたようだな」

熱を帯びた性器を握り込まれ前立腺を突かれればまた"ガイアス"と鳴いて僕はイってしまった。
毎晩毎晩犯されて満足したら逃げないように繋がれまた夜を迎える。
もう、彼は僕を心底卑下して僕はもう一生ここから出られないのではないかとさえ思う。
薬が切れて、正常な思考でまた僕は泣いた。

「たすけて、アルヴィン。」

広い部屋に懺悔の言葉がポツリと響くがそれは虚しいだけ。
それからしばらくただぼんやりしていた時だった、窓枠がガシャガシャと音を立てる。


「よっ、と」
「...ア、アルヴィン...!!?」
「意識は正常のようだな、優等生」
「..!!」
「そんなに泣くな。遅れて来たのは本当悪い。だから、早く出よう。」

窓から入って来たアルヴィンは手持ちの大剣で鎖を断ち切り自分の上着を僕にかけてくれた。
そして出会った時のように小脇に抱えられ窓から城を脱出した。

「あの..ね、アルヴィン」
「あ、なんだ」
「僕...」
「言うなよ。どうせ、ア・ジュールで開発されたモンスター分泌液の試薬だろ」
「...!」
「アルクノアでスパイしてた時に開発段階だったのが完成したんだな。...でも、俺以外の名前を言うジュードはやっぱ辛いな」
「ごめんね...ごめん...ごめん」
「そんなに謝るなよ。ほら、」
「...」

導かれるように開いた懐に飛び込めば、懐かしいアルヴィンの香りがした。
僕の頭をそっと撫でて「遅くなって、ごめんな」とアルヴィンは呟いた。


『love philter』


「時間..かかりすぎだよ...」
「悪いな。あの城は霊力野がない俺にはちょっと難しかったんだよ」
「でも、ありがとう..アルヴィン」
「....ホントに遅くて、ごめん...」





ガイジュ..?
ゲートのないアルヴィンにはさぞカン・バルクは難攻不落だったに違いない。

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