「なぁ、俺の事信じてくれるだろ」
「...」

そういつものように聞けば顔は反らされてしまった。
腕をジュードに回すがどことなく解かれる。

「俺は、みんなが大好きなんだぜ?」
「...アルヴィン」

そうしてヤレヤレと言わんばかりに溜息を突かれた。
優等生なんだから、ジュードなんだから、いつもみたいに信用して流されてくれればいいのに。
それで「信じてるよ」なんて言って涙目になりながら俺に縋ってくれればいいんだ。


『この歪みは何時からか』


それからも俺の母の為の裏切りは続けた。
どんなに俺が裏切ろうとも涙目になりながらも「信じてる」と言うジュードの性格に縋って。
裏切ればどこかの女のように俺を殺そうとする女もいれば、
都合の良い時だけ俺を使って使い捨てとしての価値しかみない男も居た。
そんな俺に優しくない世界でジュードは俺の為に泣いたただ一人の人だった。

「そんな、怒るなって。」
「...もう、信じれないよ」
「ほら、いつもみたいに信じれよ」
「もう、アルヴィンを擁護する言葉が見つからないんだ」
「アルヴィン..嘘つき...です」
「アルヴィンさん、隠し事はやめましょう」
「なんだよ...。ジュード、は信じてくれるよな」
「もう、信じれないよ、アルヴィン!」

そう伸ばした手を振り払われて顔を反らさずまっすぐに言われた言葉。
心の何処かで"それでも、あいつは信じてくれる"と依存してた部分がボロボロと壊れる音がする。
酷く歪んだ顔をしてるのだろうか、他の仲間の目線が俺を卑下しているような錯覚さえ覚えた。

「俺はただ」
「ただ、なんだ。」
「...」

精霊の主様に心を破壊するかのようにそう言われれば折れそうになる。
いつでも側にあった"縋るモノ"がないのだ。

「なぁ、ジュード」
「...」
「ジュード!」

俺の半歩前にあるジュードの腕を掴み俺はみんなの前から姿を消した。
追手に阻まれないように普段は通らない裏路地を抜けた。

「なんでだよ、いつもみたいに」
「だから、アルヴィンを擁護する言葉がもうないんだ」
「...お願いだからいつもみたいに流されてくれよ!」
「無理だよ!」
「...ジュード」
「な、なに?!やめ」

唇に強引にキスを落として逃げ回る舌を捕まえて路地の煉瓦壁に頭を押し付ける。
昔はどんなに拒まれても慣れていたはずなのに、もう心が拒まれない事になれてしまって、
そんなジュードの擬似的な優しさにどっぷり浸かって依存してしまったのだから
体だけでも埋まらない部分を補いたいと必死だったかもしれない。

「っ...あ」
「ジュード...なぁ、信じてくれよ」
「や、だ..」
「お前がただ、信じてるって言えば俺は救われるんだよ!」
「そ、そんなの知らないよ!もう、」
「なら..体だけでも、俺が」
「うあぁっ、アルヴィン、何す」

ジュードのズボンを強引に脱がして片足を持ち上げて若干立ち上がった自身を押し付ける。
ジュードが悲鳴をあげそうになるが手のひらでそれを阻止する。

「―!!!」
「俺を信じないジュードの声なんて聞きたくない」
「―っ!!!」
「何泣いてるんだよ、俺の方が泣きたいんだけど」

接合部から流れる血を指先で救ってペロリと舐めればジュードの瞳は恐怖で揺れた。
そんなジュードをおかまいなしに突き上げれば嗚咽混じりな声を微かにあげた。

「あ"―..あ」
「痛い?でもジュードが悪いんだ。ジュードが...」
「あああ"」

ヌプヌプと音を立てながら耳たぶに噛み付いて聴覚を犯せばジュードの顔は紅潮した。
虚ろな表情でされるがままのジュードはいつもみたいに"流されてくれるジュード"みたいで心が安心した。

「そうやって、いつもみたいに」
「あ..」
「体は良い子みたいだから、ご褒美やらないとな」

ジュードの体中の至る所を突いてジュードの良い所を探る。
とある一点を掠めたら目玉が飛び出るぐらい瞳が開かれて閉じられた口から僅かに甘い声が漏れた。

「あぁ、ここ?」
「あぁ!」
「ここがいいんだ、な!」

そこを執行に突いて塞いでた手でジュードの性器を扱き上げれば甘い声が止めどなくあがった。
それに満足して、ギリギリまで引き抜いて前立腺まで一気に突き立てればジュードは酷く締め付けてイった。

「あ...はっ....」
「ジュード...」
「さ、いてい、だよ」
「その最低な奴に犯されて鳴いてイった癖に」
「も...やめてよ...」
「じゃあ、信じてくれよ...頼むよ、お前しか」
「なんで、僕が...」
「お前がいないと、もう、折れそうなんだよ」
「...」

みっともないと思う、一回り近く下の子供に向かって泣きついて縋って。
ただ、「信じてる」って言ってくれれば救われるのに。

「...信じるから.....、信じらせてよ....アルヴィン」
「ジュード...」

なんとも強引に吐かせたその言葉に酷く満足して俯くジュードの足を地面に下ろした。
よろけるジュードの体に手を回せばその手を振りほどかれる事は無かった。
惰性でも妥協でもいい、それに心が満たされた気がした。

「信じてくれるよな、ジュード」
「.....うん」





かなりアル→ジュ的な感じです。

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