繰り返し投与される睡眠薬に体が慣れてしまった頃。
ベッドと繋がれた手足も擦り剥けて赤く腫れ上がってしまった頃。
彼との性行為も衣食住かのように頭が理解し始めた頃。


『監禁ファイル5』


睡眠薬の微かな効き目のせいで僕はアルヴィンが居る時間には寝る事ができない。
ただ、不安を拭うかのようにベッドに丸まって時折泣いている彼の前髪をハラリと弄ぶ。
この人は何が不安なのだろうか、泣きたいのは僕なのに。

ベッドの横の台には彼の銃がある。
僕が死ぬか、彼を殺すか、そうしたらこの矛盾を食む関係も終わりになるのに。
僕を殺しに来た癖に飼い殺しにして好きに犯していく癖に、、

"でもここで死んだら、殺したら、ミラはなんの為に"

僕の目の前から消えて行った女の人を思えば、また涙が流れそうになる
僕とアルヴィンが2人で居たってきっと報われる事はないのに
そんなアルヴィンを心底恨んでいたはずなのに、引き金を引けない僕はなんなんだろう。

「矛盾だらけ、だよ...」
「ミラ、ミラ、ミラ、、、どこにいっちゃったの...」

結局弱い僕はまた"それ"に行き着いて涙を流した。
どれだけ泣いても、僕の気持ちが彼に届く訳でもないのに。


「ジュード、起きろ」

あれからしばらく起って、強制的な眠りに落ちて数時間。
僕の頬を乱暴に叩いて、アルヴィンによって眠りは遮られた。

「....なに」
「ヤりたい」
「...」

顔を顰めて聞けば『ヤりたい』だなんて言われてももう動揺もしない。
もっと前は傲慢に態度がでかく見下してそんな言葉を言っていた彼も今ではそんな様子もなく、
泣きそうな顔で懇願でもするような顔で言うようになったくらいで。

「あぁ、昨日処理してねーから後ろガバガバだな」
「あ...っ....」

腹の中に残った昨夜の精液が酷く気持ち悪い。
その中にまたアルヴィンの性器が入ってぐちゃぐちゃに掻き回すのは嘔吐さえ覚えそうだ。

「....」
「ジュード君、反応しないと楽しくないんだけど」
「...」
「チッ」

反抗さえする気力もない僕をアルヴィンはイラついたように激しく突いた。
正しく処方されてない薬、監禁、強姦、こうなっても仕方ないと思うけれど。

「おい」
「ぅっ...く、る...し」

強行手段に出た彼の大きな手で首を絞められる。でも、それは死まではいかなかった。
僕も彼もお互いを心底憎んでいたはずなのに、殺す事だけはできなかった。

「首締めると後ろの孔もしまるんだな」
「..っ」

どんだけ下劣な言葉を言われてももう起き上がって反論する気さえ起きない。
そうして彼は結局僕をひたすら突き上げて犯して中にまた白濁の液を打ちまけた。
今度は乱暴ながら中の精液をかき出してはくれたみたいで腹の気持ち悪さは然程ない。

そうして僕は一人でまた夢の世界へ旅立った。

「僕は、どうすればいいの...」
「誰か、教えて―ミラ...ミラ.....」
「.....ミラはもう、いないのに、ね」





4のジュード君視点的な感じのような違うような。
やっと、ミラがいなくて自分で決めなきゃいけない事に気づいたジュード君。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -