「アルヴィン、何処行くの」
「あ?何処だっていいだろ」
「集団行動中は単独行動は避けてよね」
「それは俺の勝手だろ、それとも俺がまた裏切るとか考えてる?」
「別に、そうじゃないけど」
「ならいいだろ、そういう風にいちいち付け回られるの迷惑なんだよ」
「アルヴィン」

そう言って差し伸ばされた手を叩き振り払って"ドン"と肩を押せば華奢なジュードの体は俺の進路から退いた。
そのまっすぐ見て来る目に鬱陶しさを感じながら進む。

「アルヴィン!」
「迷惑、ったの聴こえなかったか」

再び進路を妨害してくるジュードを近くの岩場に少しずつ追いつめてそう言えば瞳孔は揺れた。
"あと少しでジランドが来る"という時間的な焦りもあるのに、この妨害。

「理解したか?頭の良い優等生ならわかるよな」

そう言ってジュードの頭の上にドンと手を付いて喋りかける。
卑下した目でジュードを見下ろして反対側の手でジュードの顔の横に手を付ける。
そう追い込んで「わかるよな」と言えば、ジュードは俺の体を両手で押した。

「..わかった」

そう言ってジュードは野営地点への道へ戻って行った。
これで手はず通りジランドと内通できるはずだ。


それからしばらく経って、結界は破られジランドがカン・バルクを制圧した。
時は決戦前のザイラの森の教会だ。ジュードはガイアスやウィンガルと話している。

"ウィンガル、怪我してる"
"あぁ、ほっとけば治る"
"時間もあるし、僕で良かったら看るよ"
"あぁ、頼む"
"ジュード、決戦前だと言う事を忘れるなよ"
"大丈夫だよ、ガイアス"

他愛のない会話、治療を通してウィンガルやガイアスと触れ合い話すいつものジュード。
出会った頃はそんな会話も俺とジュードの間には普通にあったが今はあまりない。
その風景を見ながらそんな事を考えていれば無性に胸の奥がイライラとしてくる。
この気持ちがなんなのか、教えてくれる奴は俺にはいない。
ミラの寝首を掻こうと銃を向けた手前、仲間と話す気さえ起きない。

「あぁ、イライラする。」

銃の手入れのフリをして銃口をかすかにジュードへ向けるが打つ気はそもそもない。
ここで打っちまったらどうなるのだろうか、そんな事を少し考え銃口を下ろす。
"あぁ、イライラする"再びぼやき、気づけば立ち上がってジュードの腕を引っ張っていた。

「ちょ、ちょっと、アルヴィン!」
「...」
「離してよ、..何処に行くの?!」
「...」

教会から離れた人気の無い場所までジュードを連れて来て雪に覆われた樹木にジュードを押し付ける。
何の事かわからず俺に手を伸ばそうとする手を頭の上で拘束する。

「アルヴィン、何、考えてるの?!」
「あ?」
「アルヴィン!ちょっと!」

ジュードの腕を拘束したまま体を反転させて腕を拘束してる手で頭を樹木に押し付ければ悲痛な声が漏れて来た。
空いた手でズボンを下ろせば白い素肌が寒さか恐怖か、どちらかで触れていた。
何故こんな事になったのか、今でも説明のしようがないが、こうする事でイライラが解消すると俺は思っていた。

「ア..ルヴィン、なに、す」
「なんかイライラするから、責任とってくんない?」
「ど、う...や"ぁぁぁっつ!」
「挿れたぐらいで馬鹿でかい声出すなよ、こんな姿見つかりたいのか?」
「い"..いた..や..め」
「お利口にしとけばすぐ終わるから。」

そう言って足下の雪に落ちるジュードの血を足で潰す。
一気に性器を突っ込んだせいかポタポタと流れる血はしばらく続いた。
さぞ青い顔をしているんだろうとジュードの顔を覗こうとしたが腕が邪魔でよく見えない。

「っあ..い...」
「痛い?そりゃあ悪かったな」
「うっ..あ..」
「優等生のコレ、冷えてるけど大丈夫?」
「あぁっ!っ..ひゃ」

冷えて萎え切ってるジュードの性器を空いた手でやんわり扱くとかすかに反応を見せた。
奥を突きながら扱くとすっかり固くなってきた。

「こんな状況でも反応する所はするんだな」
「はぁっ..んっ、や、そこっ」
「ん?中?外どっちがいいんだよ」
「ひゃっ!うっ..!」
「答えろよ、ま、どっちでもいいけどな!」
「あぁっ!」

狭い中をイライラを打ちまけるように激しく付いて扱きながら親指で先端を弄ると中をぎゅっと締め付けられ、それを耐え、また突いて弄るを繰り返ししているうちにジュードは甲高い甘い声を吐きながらイッてしまい。俺もまたそれに釣られて欲望を吐き出した。
樹木に手を付いて息を整えていると、目の前に居るジュードが振り返り俺の胸をいきなり押した。
その反動で俺は雪の中に仰向けで倒れる羽目になったが、ジュードの予想外の動きに動揺していた。

「ジュー、ド..?」
「アルヴィンなら、そうすると思ってたよ」

俺に馬乗りになって、俺のガンベルトから銃を取り出して俺の頭に銃口を押し付けた。
"あぁ、ツケがまわってきたんだな"と覚悟を決めて目を閉じるが一向に打つ気配はなかった。

「打たないよ。だって、アルヴィンもさっき打てなかったでしょ」
「?!」
「知ってるよ、僕。アルヴィン、嫉妬してるんでしょ」
「...なんだよ、それ」
「アルヴィン僕の事気にしながらも鬱陶しそうにしてたから、わざとアルヴィンの前で他の男の人と喋ってみたんだ。」
「..酷いな。」
「酷くないよ、でもまさか青姦されるとは思わなかったけど」
「悪かったな、でも、お前の事そういう風に思ってるとか思いたくないんだけど」
「犯しといてよく言うよね、でも、アルヴィンは僕の事好きだよね」
「..直球だな」
「いいじゃない」

そう釈然としない俺に向かって、何でも見透かしたように言うジュードに半ば納得させられようとしていた。
銃をガンベルトに戻して、ジュードは顔を俺に近づけて来てそっとキスをしてきた。


『裏切り者を欺く時』





これぐらい朝飯前ぐらいな小悪魔ジュードがいいな。←

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