「強くなったな、ヒューバート..」


『dislike or like』


門番に背を押され、フラフラになりながらラントを後にする。
久々の兄弟の再開は俺にとっては嬉しい事だったがヒューバートにとってはそうでなかったらしい。
そういう悲しみや自分の手でラントを守れなかった、騎士にもなれない。
どういう事を考えても悪い方向にしか考えが浮かばなかった。
体調も総じて悪くなって来る。俺には何が守れるんだろうか。

「あの小屋で一休みしよう..それから考えよう」

小屋に入り床に座り込んだ。目眩が止まらない。
入り口の方からカチャカチャと鎧を着た人が近づいて来る音がする。
その音の主が部屋に入る前に、俺は目眩から意識を手放してしまった。

気が付くと、あの小屋の絨毯の上ではなくベッドの上に居た。
先のヒューバートとの戦闘で出来た傷もすっかり癒えていた。

「癒えてる..シェリアかな..?いやシェリアはラントに..」
「治癒術はシェリアだけが使える訳じゃありませんよ」
「ヒューバート!?」

後ろを振り向いたら、不機嫌そうに眼鏡のブリッジを押さえるヒューバートが居た。

「どうしてここに..」
「シェリアが教えてくれたんですよ。"アスベル・ラント"を探す怪しい兵が居る事を」
「俺をか」

"ええ"と言いながらヒューバートがベッドに近づいて来る。

「で、あんな所で暢気に昼寝などして。強姦にでも遭いたかったんですか?」
「俺はそんなつもりで居た訳じゃ..」
「何処に敵が居るかわからないのに悠長なものですね。騎士団はその程度なんですね」
「ヒューバート!!」
「僕はラントに捨てられてすぐにそんな事は覚えましたけどね」

そう言い、俺の体を思いっきりベッドへ叩き付けた。

「ヒューバート!!何をするんだ!!」
「..兄さんなんか大嫌いですよ。ラントから追い出して僕と同じ苦しみを味わえば良かったんです。」
「ヒューバート..」

腕を頭の上で一つに纏められ、腕の骨が折れるのではと思う程強く握られる。
どんどん力を込められる腕が痛くなり、咄嗟にヒューバートの体に蹴りを入れてしまった。

「相変わらず足癖が悪いみたいですね」
「っ!!」

まるで仕返しと言わんばかりに力の込められた右手が鳩尾に居れられた。
咽びながらヒューバートの顔をじっと見つめると今度は頬に一発飛んで来て思わず涙腺が緩んでしまった。

「大嫌いです。貴方のその顔も、性格も..大嫌いです。泣いたって、僕は赦しませんよ。」
「だったら何故ここに連れて来たんだ!嫌いなら..ッ!!」
「うるさいですよ。」

そう言いながら反対側の頬にももう一発飛んで来た。
ヒューバートは軍服のポケットをガサガサと何かを探し出したが、相変わらず手の拘束は緩めてはくれない。

「これは僕の国から貴方へのプレゼントですよ。最早意味がなかったのですが。もし仮にストラタの軍事介入に納得をしない輩が居たらこの錠で繋ぐよう言われてましたからね。ここには牢屋は疎か手錠すら見た事が無かったですしね。」
「..それをどうする気だ。」
「だからプレゼントですよ。貴方に」

その言葉に一抹の不安を覚え、唯一自由のある足でジタバタともがくが再び鳩尾に一発居れられ呼吸を取り戻す頃には頭の上でガチャンという音が聴こえた。

「やめろ..ヒューバート...!」
「嫌ですね。」
「ヒューバート..!」
「...そんな目で見ないで下さい。」

ヒューバートは鬱陶しそうに俺を見た後、立ち上がりベッドの横にかけてあるタオルを2枚取って戻って来た。

「その目も、言葉も..大嫌いですよ..」

そう言って、目と口をタオルで覆ってしまった。
視界はぼやけた明かりしか見えなくなった。ただ耳元でガチャガチャと金属音だけが鳴っていた。

「ふううっ..んん!!」

俺に出来る事と言えば、腕が千切れるぐらい錠をガチャガチャと鳴らす事と必死で訴える事ぐらいだった。

「そんな抵抗しても無駄ですよ、兄さん」
「んんん!!うううんん!!んっ..」
「そんな事しても錠は取れませんよ。..手首が真っ赤ですよ」

何故ヒューバートがこんな事をするのか、なんでこんな事になってしまったのか
聞きたい事は沢山あったはずなのに何も言えずに居た。何も言わせて貰えずに居た。

「さあ、兄さん。僕を捨てた贖罪をしてもらいますよ」
「んっ...!」

上着を捲し上げられ、さっき殴られた鳩尾をスッと撫でられくぐもった声が出る。
鳩尾をなぞった指がそのまま胸へと行き乳首をギュっと抓られた。

「..反応が聴こえないのも楽しくないですから、煩いのぐらい我慢しましょうか」

口元を覆っていたタオルが取られたが、目を覆うものは取ってはくれなかった。

「ヒューバート..!な、なんでこんなこっ!!」
「..」
「そこ..っ舐めな..」
「兄さんはここを舐められたぐらいで感じるんですね」
「ちがっ」

胸を弄る手が取り払われたと思ったらピチャピチャと乳首を舐められた。
舐めながらもヒューバートの手はズボンを取り払おうと下半身に手を伸ばしていた。

「ヒューバート!!」
「何ですか、兄さん」
「だから、なんで、こんなことを..」
「さっき言いましたよね、贖罪してもらうんですよ。」
「贖罪...あ、や!やめ」

顔を上げ、体を起こしたヒューバートがズボンと下着を一気に引き下ろした。
露出した下半身に熱が籠る。ヒューバートが観てる、そんな気がした。

「な、なにを」
「...」
「ヒューバー..」
「舐めて下さい」

展開がわからないまま、自分の頬に当たる生暖かい感触。よく知る雄の臭い。
顔を精一杯横に向け小さな抵抗を示すがヒューバートの片手であっさりその抵抗は解かれた。
口を紡いでも鼻を摘まれ口内にヒューバートのモノが入って来た。

「こんな状況で歯なんか立てたらどうなるかぐらいわかりますよね」

萎えきっている自身をヒューバートは痛いくらい握りしめた。
そう言われてもヒューバートの指示に請える訳もなくただ銜えるだけの状態に痺れを切らしたのか
俺の頭を片手で持ち前後に揺らしはじめた。

「そういう頑固なところ、相変わらずですね..!」

脳天を揺さぶられ口内で少しずつ大きくなるモノに息苦しさと哀しさから涙がまた一つ流れるが
タオルに付くだけでヒューバートには伝わらなかった。

「もういいでしょう」

突然ヒューバートの自身が口から抜け頭を離された。
そして俺の足を持ち上げ慣らしもしない蕾に強引に押し付けた。

「あああっ!!いっいい..たい!!」
「ああ、すみません。血がでてしまいましたね。」
「いたっい..ヒューバ..なん..!っ!!」
「そんなに締めないでください。痛いです。」

悲鳴に近い言葉しか発せず、下半身を裂かれたような痛みしか感じなかった。
流れ出る涙も血も、とうに止まらなくなっていた。

「はあぁ!!っいた、も、やめ」
「やめませんよ..!」

血をローション代わりにヒューバートのモノが出入りするだけで焼け付くような痛みだった。
最奥をガンガンと突かれ悲鳴をあげるも止まる事はなかった。
ふいに自身を掴まれ上下に扱かれ、萎え切っていた自身に熱が籠る。

「やぁっ..!!ああ!!ヒュ..バアっ!!」
「っ..」
「!!!そ、そこやっ...!!あっ!!」
「ここですか?」
「だ..!やあぁっ!!」

ヒューバートがふいに触れた箇所に体がビクンと反応した。
ヒューバートはそこを執行に突いて行き、頭が真っ白になりそうになった。

「にい...さん..っ」
「やっあっ..!ああっ!!」
「っ..!!」

前立腺を激しく突かれ自分の熱が開放されると同時に腸に熱いモノが出る感触がした。
そして俺は意識を手放した。



乱れ血と精液でぐしゃぐしゃになったベッドの上でヒューバートは呟いた。

「僕の前から居なくなった贖罪ですよ、兄さん。
 でも、安心してください。これからはずっと一緒ですから。」




「"大好き"だから可愛がってあげますよ。兄さん。」






久々に小説買いてよくわからない感じになったしまいました。
7年のブランクとかもはや初めて書くに等しい感じですね。←

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -