「アルヴィン、また怪我したの?」
「別にたいした事ねーよ」
「手当してあげるから、ほら。ここ座って」
「別に手当する程じゃねーし、ほら俺、丈夫だし」
「いいから、座って」

放課後の保健室、保健委員のジュード"先輩"が保健委員の仕事で最近は在室する事が多い。
初め見た時は俺より背低いし、着痩せしてるし、肌白いし、顔女みたいだしで俺より年上なんて思わなかった。
ただ、怪我した俺を治療する姿が懸命でなんか可愛かった。

「また喧嘩?」
「...ちがうよ。」
「別に詮索するつもりないけど、ね」
「俺の事心配してくれんの?」
「そりゃあ、毎日怪我したり病気でこられると、ね」

ぶっちゃけ、ジュード"先輩"に会いにきてますなんて言えない。
そこらへんの腰軽女には嘘に塗れた愛の言葉なんて沢山言える、最悪な男だと思う。
だけど、ジュード"先輩"には言えない。だって、見るからに純情そうだから。
それにその前に性別という大きな壁があるし。

「よし、これで大丈夫かな」
「毎回悪いな、先輩」
「別に気にしないけど」

治療する時先輩の頭が俺の顔の近くに来て、微かに良い香りがした。
なんて、毒なんだろうか。

「もう怪我、しないでよ」
「はいはい」

今思えば、先輩ぐらいだった、俺にまともに相手をしてくれるのは。
できれば今、この時間じゃなくてずっと一緒に居たい。
その良い香りがする髪の毛をくしゃくしゃにして抱き寄せて恥じらうのを振り払って脱がして、
・・・あんまり考えると、下半身に大変よろしくないので妄想はやめよう。

"~♪"

「あ、アルヴィン。そこにある携帯電話取ってくれない」
「なんで俺が」
「すぐそこにあるじゃない」
「へー・・・先輩」
「珍しく、何?」
「彼女居たの?」
「そうだよ。」

携帯電話のストラップに指輪が付いていた。
きっと、優等生な先輩の事だから校則違反とか気にして携帯に付けているのだろう。
ただの指輪ならスルーする所だけど、シルバーリングの内側に女らしき名前の刻印があった。

「アルヴィン、どうしたの?」
「なんでもねーよ」

...この胸の奥のイライラはなんだろう。
どんだけ尻軽彼女に浮気されようが二股されようが何も思う事はなかったのに、なんだよ。
多分、無意識のうちに先輩を信頼してる自分が居て、裏切られた、みたいなの。
いやいやおかしいだろう。そもそも付き合ってすらいない、男同士だし。

「もしかして、俺うざかった?毎日毎日来て、早く彼女とデートしたいみたいな」
「え、アルヴィン、いきなり何?」
「俺、病気なんだよ。治してくれよ。」
「話が見えないよ。アルヴィン」

頭の上に"?"を沢山並べてる先輩をじわじわと壁際に追い込んで行く。
どろどろとした嫉妬の念を浮かべ、ただ、欲しくなった。

「先輩とセックスしたら治るかもしれないし、付き合ってよ」
「アルヴィン?!からかうのもいい加減に」
「からかってねえよ」

手首を骨が鳴る程握れば可哀想なくらい血色が悪くなった。
カーテンがひかれてる窓辺の壁に先輩の体を押し付ける。

「アルヴィン、やめよ?」
「やめない。」
「ぼ、僕たち同性だし、ちゃんとした先輩と後輩のかんけ」
「黙れよ。ただの後輩ならいっそ嫌われた方が楽だし。」
「意味、わからないよ..」
「もう、あんたを普通に見れないんだよ。だったらいっそ嫌われたい。それに、嫌われるなら」

"いっぺん、ヤらせてくれよ"と顔を近づけて言えば体は可哀想なぐらい震えた。
もう戻れない事は明白だったけど、このままだったらきっと嫉妬に塗れた俺は"彼女"に何するかわからないし。

「アルヴィ」
「煩い。」

煩い唇に口づけして、無理やり唇を割って逃げ回る舌を捕まえて不埒な音を立てれば小さい体で抵抗始めた。
抵抗する腕を頭の腕でひとまとめして拘束し足の間に俺の足を挟めばもう抵抗はできない。
開いた片手でズボンの中へ手を入れて萎えている性器に触れば"ビク"と体が震えていた。

「ぅ..あ..っ」
「先輩、起ってますよ」
「不可こ..ゃっ!」
「こんな所で大声だしたら誰か来るぜ?彼女サン、とか?」
「そ、そんなぁっ」
「先輩気持ちい?男に触られて嬉しい?腰揺れてるけど」

そう耳元で呟けば歯を食いしばって我慢してるけど、顔は真っ赤。
耳たぶをペロリと舐め、耳に舌を入れれば涙目になりながら声を我慢していた。
そんな先輩を目の端に入れつつ空いた手でズボンを下ろして後ろの小孔に指を進めた。

「いたっ、、な、なに..?!」
「男同士はここ使うんだよ」
「や、やめ」
「何?痛い方がいいの?」
「おねがい...やめて..」
「やだ」

指に唾液を絡めて指を出し入れしつつ性器も遊んでやれば甘い吐息を漏らした。
ついに指3本が入りバラバラと動かすと一際甘い声を出す所を見つけた。

「んやぁっ!!!!」
「先輩、ココ、いいの?」
「ちがっ!!ひゃぁっ!!」
「ここ、弄って欲しいの?」
「ひゃぁっ..う..」
「先輩って淫乱。」

前立腺をグリグリと押せば金魚みたいにパクパクと口を開けていた。
性器を弄っていた指で先端グリっと掻いたら甲高い悲鳴を上げて精液を吐き出した。
その液を俺自身に擦り付ければ、中に入れる準備はできた。

「いれるぜ」
「も、やめ..おね」
「そんな事言えないぐらい気持ちよくしてやるからよ」
「ひゃあぁつ!!!」

入れればもう中はグジョグジョとしていて、痛がる様子はあまりなかった。
前立腺を擦り付けるように付けば自然に腰を揺らしていた。

「腰、揺れてんだけど」
「んあぁっ」
「聞けよ淫乱。」
「あっ言わなっ」
「こんなに善がって、ある意味こっちの才能があるんじゃね」
「はっ..やっあも、イ」
「もう少し耐えろよ、この早漏」
「やっ、イかせて」

イきそうなジュードの性器を痛いくらい握ると誘うかのように俺を上目遣いしている。
余裕かましていても、俺もそろそろ限界を感じて来る。

「イくから、良い声で鳴けよ」
「はっん、あぁっ!!」
「出す、ぜ!」

ポタポタと白濁の液が床に落ちて行く音と息を切らす音だけが保健室に鳴っていた。

「も、信じられない...」
「善がって泣いてた癖に」
「酷いよ...」
「...悪かった」

ジュードの体にベッドのシーツを掛けて身勝手にも部屋を出て行こうと考えた。
部屋のドアに手を掛けた瞬間背後から先輩の声が聴こえた。

「アルヴィン、病気、治った?」
「?!」
「...」
「...現代の医学じゃ治りそうもねーわ」

そして俺は部屋を出て行った。
どうせなら殴るぐらい、罵声を浴びるくらいした方が良かったのに。
泣かせたはずなのに、俺が泣きたい気分になった。


『嫉妬心に溺れた』





後輩アルヴィン×先輩彼女持ちジュードでした。
結局の所、ジュード先輩はお人好しで寂しがりやでした。みたいな話。

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