"カランカラン"

酒の入ったグラスの中の氷が音を立てた。
人で溢れたバーに俺は今居た。目の前には古くからの仕事仲間。
既にそいつは出来上がってて呂律は回ってる物の話の内容は酔っぱらい同然だ。

「でよ...」
「..なんだよ。まだ話たりねーのか」
「俺、この前ヤったんだよ」
「そりゃ、いつもの事だろ?」
「ちげーよ..ヒック」
「何が違うって言うんだよ。」
「男と、だよ」
「あぁ?」

決してそいつはそういう趣向の奴じゃなかった。
仕事してると思えば夜は俺と同じぐらい女を侍らしてるような奴だった。

"アルヴィン!"

何故か、俺を呼ぶあの忌わしい奴の声が浮かんだ。
今になっても何故この時ジュードの事を一瞬でも考えたのかわからない。

「...ったく聞けよ」
「、んだよ」
「ここだけの話なんだけどよ、結構良かったぜ」
「は?男だぞ」
「男でもいいもんはいいんだよ」
「気持ち悪くて考えれねえな」
「ま、お前には理解できないかもしれないけどよ」

そもそも、何故俺があいつらと旅してる最中の夜にこんな場所に居るか言っておく。
いつも宿屋に泊まる時は金の節約の為に男、女で2部屋で泊まってた。
今日に限ってじいさんの腰痛が酷いとかでレイアが『男3人でゴロついて寝てもよくならないよ!』とか言い出して女3人、じいさん、その他みたいな部屋割りになった。
まあそのその他に含まれるのが俺とジュードな訳だけどな。
あれ以来ジュードを見るのも微妙になってる俺は部屋に行く前に宿から出てこの町の古い友人を訪ねた訳だ。

「まーでも、良さそうな奴見つけたらヤってみろよ」
「ねーよ、じゃあ俺行くわ」
「つれねーなぁ」

どっちにしたって明日は早い。
それに今帰ったらもうあの優等生の事だ。とっくに寝てるだろう。
男、なぁ。たしかに溜まってる物はあった。
最近はやたらと自由行動に厳しい奴らで全然ヤってない。
少し、酷い事を考えてしまった。

"ガチャン"

「アルヴィン、おかえり」
「まだ起きてたのか」

ベッドの上で読書をしていたジュード。
俺の方をチラっと向いて社交辞令にもそう言ってすぐ本に視線を戻した。
それに無性に腹が立った。なんで腹が立ったのか、やっぱり今でもわからない。

"ドサッ"

俺は本に夢中になっているジュードにゆっくり近づいて読んでた本を背後へ投げた。
ベッドに乗り後ずさるジュードを壁へと追い込んだ。

「何、震えてんだよ」
「本、返して、よ」
「自分で取れよ」

ジュードが無言でベッドから立ち上がろうとする。
俺は立ち上がろうとするジュードの腕を引っぱりベッドに押さえつけた。

「何、するつもりなの」
「そう怖じ気づくなよ。
「どいて欲しいんだけど」
「俺さ、欲求不満なんだよ。だから相手してくれよ」
「!!」
「ジュード君、俺の事大好きでしょ?虚勢張ってるだけで」
「い、いやだ..!」
「だから、お互いの利益は一致してるだろ?」

ジュードの頭上の壁に手を突いてジュードを見下ろせば一回り小さい体は震えた。
俺を押し返そうと手を伸ばすがその手を掴みベッドに沈める。

「ぼ、僕..やだ、したくない...!」
「合意の方が良かったんだけどな、じゃあ今からするのはレイプ?」
「気持ち、悪いんでしょ?!なら、やめてよ!」
「黙れよ、隣、嬢ちゃん達がいるんだぜ?」
「!!」
「ほら、いつもみたいに受け入れればいいんだよ。わかるだろ」
「それでも、いやだ..!」
「じゃあ、せいぜい足掻けよ。な。」

それでも嫌がるジュードの服を無理矢理脱がす。
露呈された下半身は見て分かる程震えていた。
ジュードの快楽ははなから考えてはいないのでジュードの萎え切った自身は無視して固い蕾に手を付ける。
固く閉じていて"こりゃあ入らないな"と思い帰り道に買ったローションを俺自身に垂らす。

「や、やめて..!こわいよ..」
「うるせーな」

そのまま悲鳴をあげてしまいそうなジュードに脱がしたジュードの衣類を突っ込めば苦しそうに呻いた。
しまには涙が瞳に溜まり、亀頭をアナルに当てれば溜まった大粒の涙ベッドへ落ちた。

「そうそう、そうやって大人しくしてろよ」
「んんぅ!ふぁぁ!!!!」
「キツいな、血ィ出たけど、いいよな」
「んん!いあ!!!」

ローションを更に垂らして上下に動かせばジュブジュブと卑猥な音を立てた。
シーツにはローションと血が混ざり合った赤黒いシミができていた。

「ジュード」

そう言って口元の服を取り払って投げ捨てる。
顔は涙でぐしゃぐしゃで下肢は血とローションでどろどろで、それがいつものジュードと違って意味もなく興奮を覚えた。

「うぅ...っ!いっ!」
「ほら、ジュード君。嬉しいだろ?大好きな、俺にヤられて。」
「も、やめ..てよ...」
「俺が気持ちよくなったらな」

そう言ったらまた涙が流れた。
それと同時に自身を僅かに締め付けてそれが少し気持ち良かった。
また、酷い事を思いついてしまった自分に飽きれる。

「やっ..!う、うごかな」
「ジュード君、俺の事好きか?」

そう言ってジュードの唇にねっとりとキスをする。
そうするとジュードの瞳は揺れた。

「..ジュード」

耳元で甘く言ってみれば顔を真っ赤にしてみせた。

「す..、き..だよ..!」
「俺は嫌いだけどな」
「や"ぁっあ"あ"あ"」

そう言えば、俺自身をキュっと締め付けた。
たまに寝た女にこんな奴が居た。拒絶する言葉を言うとやたらと締め付ける女。それと同じに見えた。
締め付けると同時にジュードの奥へと激しく腰を押し付ければ擦れた声が部屋に響く。
そして俺は達した。

「ひ、ひどいよ...ア、ル..ヴィン...」
「俺の事、好きなんだろ。良かったな」
「...」

ジュードはベッドから立ち上がってフラフラと浴室に入って行った。
僅かに開いた隙間から中を覗けば床にへたり込んでシャワーを浴びていた。
排水溝に透明な液と紅い液と白濁の液が流れて行くのが見えた。

「さーて、優等生は明日から俺をどう受け入れるんだろうな」


『正体Xの絶叫』





ジュードが可哀想で仕方がない。

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