※分史世界のショタジュードくんと正史世界のショタコンを煩ってるアルヴィンの話です。
ルドガーの仕事の手伝いがてらに俺はひとつの分史世界にやってきた。
分史世界に辿り着いたと思えば、レイアが「じゃあ皆それぞれ聞き込み調査って事で!」との発言によりパーティは解散した。
突入地点も聞いて無かったせいかいまいち現在の場所がわからないまま俺はルドガー達やレイアと背を向ける形で前へ進んだ。
しばらく突き進むと見慣れた街並みが見えてここがル・ロンド島だと俺は知った。
街へ一歩踏み入れようとした時に俺の耳に子供たちの甲高い声が耳に入り、声のする方を向けば子供たちは輪になって何かをしているようだった。

「ん……?」
『やばい、大人が見てる!逃げようぜ!』
『そうだな!またレイアの母ちゃんが来ると怖いし』

輪になっていた子供たちは俺の姿を見ると一目散に街の方へと消えていった。
子供たちが輪になっていたところには一人の子供がぽつりと座っていた。
俺は興味本位にその子供に近づけば、その子供の顔は俺がよく知っている顔にとても似ていた。
子供たちに虐められてボロボロの姿で地面に散らばった本やノートを拾っている子供はジュードにそっくりだった。

「何やってるんだ、こんな所で」

分史世界の人間に声をかけたところで意味がないのはわかっていた。
ただでさえ十一も年が離れたジュードが更に小さい状態で自分の前に居るという状況に胸が高鳴るものがあったからだろう。
ジュードがボロボロな状態になるという過去は正史世界でもあった事実で、この事実の先に今のジュードがあるとわかっている所為か心配な気持ちに陥る事はなかった。
全ては興味本位による行動で、数刻先には消える無意味な行動でしかない事は十分に理解していた。

「誰ですか」
「おたくの父さん、ディラックの知り合いだよ」
「父さんの……?」

家族愛に飢えているジュードはディラックの名前を出したら目を見開いて俺の方を向いた。

「あぁ、そうだ」

そう言うとジュードは目を大きく見開いて俺を直視した。
その大きく見開いた瞳に見守られながら、俺は口を開いた。
――全ては消えてしまう事だから。

「だから、俺を信用してくれるか。してくれるのなら楽しいコトを教えてやるよ」

ジュードは砂利まみれのノートを握る手に力を込めて、コクンと小さく頷いた。
そして俺はジュードの手を引いて民家の裏へと移動した。

「あの……こんな所で何をするのですか」
「楽しいコトだよ、ジュードくん」
「楽しい事っ……」

『楽しい事とは何』と言いたげな唇を封じて、触れるだけのキスをするとジュードはまた眼を大きく見開いて動揺している素振りを見せた。
エリンがくれるようなおやすみのキスでもないキスの意味を知らないジュードは何も言葉を発する事もなく俺を見つめている。

「ママ以外からは嫌だったか?」
「……お母さんはもうそんな事しないよ、……だって僕が寝るときはまだ働いてるから……」
「寂しいんだな」
「……」

ジュードは再び口を閉ざして俯いた。
今よりももっと幼い頃はエリンがずっと一緒に居たのだろうが、自我が目覚めてからはエリンも仕事に戻って話に聞く通りの“寂しがり屋”になってしまったのだろう。

「じゃあ寂しいのを忘れさせてやるよ。“最期”まで」
「え……?」

俺はジュードの唇に再度キスを落として、汚れている衣服に手をかけた。
その瞬間、ジュードの身体はビクリと震えた。
しかし抵抗はする様子もなかったので、そのままズボンに手をかけようとするとようやく俺の手を掴み小さな抵抗を見せた。

「な、にするの……?」
「楽しいコトって言っただろ」
「よくわからないけど、ヤダ……」
「ヤダはだめだ」

弱い力で俺の手を掴むジュードの手を振り払って、ズボンを脱がせるとジュードは顔色を悪くして俺を凝視した。
その眼差しに厭らしい微笑みで返し、小さな性器に手を伸ばすとジュードの身体がビクリと動き小さな呻きをあげた。

「さっすがに出ないだろうなー」
「でないって、何?! なんか、やだ……怖い!」
「怖くなんかない。……もっと怖いものがもうすぐ来るからな」
「え、な……に」
「なんでもないよ、こっちの話だ」

明らかに同様するジュードの事をあれこれと考えるのはやめて、ジュードの性器に伸ばした指先をゆっくりと動かすとジュードはまた一つ呻き声をあげた。
それを何回も繰り返すとジュードは頬を少しずつ赤らめて、眼にはうっすらと涙が滲んでいた。

「なにこれ、怖い……やだ……やだよっ」
「怖いじゃない、ヤダじゃない。気持ちいいって言うんだよ」
「きも、ちいい?」
「あぁ」

手のひらに小さく収まる性器がじんわりと熱を持ち、固くなりはじめた頃にはジュードの口からは甲高い声が漏れ始め顔も赤く、正体不明の身体の異変に涙を流していた。
その姿にゾクゾクし、求めていた欲求が満たされたのを感じた。

「ここ、気持ちいいだろ」

その問をジュードの耳元で囁くとジュードは首を縦に振って答えて見せた。

「なら、気持ちいいからもっとしてって言ったらもっとココ擦ってやるよ。できるか?」
「う、ん……」

ジュードはゆっくりと口を開き、吐息を漏らしながら言葉を吐いた。

「気持ちいい、から……もっと、してください……」
「イイコだな」

俺はジュードの言葉を聞くと、ジュードの性器を持つ手の力を強め痛まない程度の力でジュードの性器を上下に動かした。
ジュードは正体不明の快楽を耐えようと俺の肩にしがみついてしばらくは絶えていたが、やがて性器の固さが無くなりしがみついていた肩に体重をかける頃にはグッタリとしていた。

「ぼ、く……また」
「はは、お漏らしじゃねえから安心しろよ。それにまだ出る程体もできてないしな」
「だから……出るって、何……?」
「きっとおたくが知る事はもうないな、これが最期だから」
「最期って、何……ですか?」
「この世界の最期だよ」

その言葉を吐いた瞬間、時空が歪み始めた事に俺は気づいた。

「ちょうどいい時に来たな、これが最期だ。小さいジュードくん」

俺が残した最期という言葉の疑問を晴らすことが出来ず、疑問の表情を浮かべたまま小さいジュードが居た世界は消えた。
世界が消えた悲壮感や性犯罪に近い事を犯した罪悪感なんてものはなかった。
ただ小さいジュードが悶える姿が見れて欲求が満たされたという満足感だけが残っていた。

これでいい。
――だって全てはもう消えたのだから。


『消失』

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