奴隷/区パロディ。アル→ジュ
SCM――。
どんな勝負を仕掛けても勝てさえすれば負けた相手を奴隷にする事が出来る器具。
この器具を俺が付けて、ジュードにも装着させて俺が何かの勝負に勝ちさえすればあいつを奴隷に出来る。
俺に気持ちが向かないあいつを意のままに操る事ができる……!

「アルヴィンっ……やめっ……!」
「ジュードくんは黙ってればいいんだよ」
「くっあっ……」

嫌がるジュードの口を片手を突っ込み、歯の裏にSCMを装着させる。
後は俺自身がSCMを装着して何かにジュードに挑んで勝てば良いだけだ。

「何?!これっ……!」
「大丈夫だよ、命に関わるもんじゃねーから……って無理に外そうとするなよ? 弱電流が流れてるし危険かもな」
「ひっ」

腕の中で暴れるジュードの耳元でハッタリの言葉を呟けば暴れるのを止めた。
得体の知れない物を無理矢理装着した時点でこの勝負は俺に分がある。

「ジュードくんは何でそんなに嫌がるんだ? 俺の事嫌いか?」
「嫌だよっ……少なくとも、いきなりこんな事する人の事はっ」
「じゃあ、ジュードくん勝負しようか。これにジュードくんが勝ったらもう俺は付きまとわないしジュードくんの目の前から消えてやるよ」
「そんな約束守らない癖にっ」
「ジュードくんが勝てばいいんだよ、勝ってこう言えばいい。目の前から消えてしまえってな」

ジュードの頬を掴んで俺の方を向かせれば涙を潤ませていた。
あともう少しでこの身体も、涙も全て俺のものになると思うとその時を待たずにこのまま押し倒してしまいたい衝動に駆られたがそれでは意味がない。
俺を嫌いという意思がありながら俺の側に居続けなくてはならない残虐さを超えて身も心俺に自らの意思で捧げる奴隷にする為に……。

「こういう勝負にしよう。涙を流したら負けだ」
「……そんなのおかしいよ、だってもうアルヴィンが嫌でこんなにも泣いてるのに」
「じゃあジュードの負けだ」

ジュードの口元でSCMがカチッと鳴り響きこの下らない勝負事が終わった事を告げる。
ずっと恋いこがれていたこの白い肌をスルリと撫でればジュードは大層嫌そうな顔をして俺を睨む。

「ほら、ジュードくん俺にキスして」
「……っ」

勝負に負けた時点で俺の奴隷になったジュードは嫌そうな顔をしたまま俺の唇にキスをした。

「さすがに感情まで操れる訳はないよな、でもそのうちお前は俺に全てを差出すようになるさ。だから、ジュードくん。その可愛い小さなお口で俺の舐めてよ」
「……はい……」

俺を睨みながらもSCMの呪縛から逃れる事が出来ずジュードは俺の股座に手を伸ばした。
大笑いしそうになるのを堪えジュードの頭を撫でれば蔑んだように俺の事を見上げる。
――あぁ、俺は今日愛しい『奴隷を捕まえました。』

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