近親相姦ネタを含みますのでご注意下さい。
ジュード。
俺の11歳下の弟、血が繋がってるのか繋がってないかさえ定かではない。
何故そんな不確定な繋がりを家族の名称"弟"として認識するのは俺にとって必要だったから。
育てる事が生きている事の意味で、愛し愛される事がこの世界における存在の意義だと思ったから。
愛し愛され繋がりを求める事が倫理から外れたとしても構わなかった。


『情念』


そんなジュードが最近は様子が変だった。
もちろん家事も全てやってくれるし、成績も優秀過ぎる程だったがこの所ジュードは俺を避けていた。
起きたらジュードは学校へ行ってるし、帰れば部屋に籠ってる。俺が風呂に入っている間に家事をやり終えてはまた部屋に籠る。
そんな些細な事に俺は胸が詰まるのを感じ、勉強中と札が掛かったドアノブにゆっくりと手を掛けた。

「ジュード」
「わっ、な、なに……?!」
「最近お兄ちゃんに行ってきますもお帰りなさいも聞かないんだけど、良い子のジュードらしく無いよなあ」
「……あ、朝は起こすといけないし、夜は勉強して気付かなかったんだよ……」
「の、割には俺が風呂に入るのはしっかり気付いてるみたいだけど」
「……」
「俺は嘘吐く事はだめだよーって言ったよな、ジュード」
「だって……」

勉強机に座って俯くジュードの側に寄って顎を持ち顔を上げさせようとしたらジュードの手は俺の手を払った。
ジュードの顔は真っ赤になって俺を睨んでいる。
どうやらジュードは俺に対して何か起こっているようだった、

「きょ、兄弟は普通こんな事しないって僕知ったんだから……!!」
「ふうん、ジュードは俺がこうやっただけで何か変な事でも想像したのかなあ?」
「からかうのはやめてよ!! それに男同士でも……普通やらないって……」

どうやらどっかの誰かか部屋に蓄積された書物かがジュードにいらない事を教えたようだった。
そう、俺はジュードとの性行為を日常的に繰り返していた。
愛し愛され繋がりたい願望に拍車が掛かり、初めは寝顔にキスを、精通後はフェラを、身長の伸びが緩やかになれば身体を開き行為を促した。
まるでこれが普通、よくある事、そんな風に教えて育てた。
全てにおいてこの行為が合法とされる事なんてないと知りながらも。

「ジュード、ベッド行こうか」
「僕は怒ってるんだよ?! なんでそんな事言えるの?!」
「それでも俺はジュードが必要だし、繋がる事で全てが満たされるならもう今更止める事なんてできない」
「……なんで、そんな風に言うの?! 何もこんなやり方で満たされなくてもいいでしょ……!!」
「このやり方が一番本能的でいいと思うんだけど? それに何年も掛けて快楽を覚えた身体をどうするんだ、ジュード」

そう言えば心当たりがあるのかジュードは顔を顰めた。
俺は顰めた顔に手を当て、唇を落とせばジュードは俺の手を押し返すが片方の手でジュードの背中を俺の方へと寄せた。
緩んだ唇に舌を捩じ込んで絡めればジュードは椅子から崩れるように床にへたり込み俺の胸へと身体を預けた。

「苦しいのに我慢する事ないだろ? 真実がどうであれ有用性は変わらないんだからさ」
「……酷いよ……、僕を愛してるって言う癖に自分の事しか考えてないよ……」
「ごめんな、こんなのがお前のお兄ちゃんで」
「……」

着たままのコートを床に投げ出してジュードをコートの上に押し倒す。
恥ずかしそうに顔を赤らめるジュードの衣服を丁寧に剥ぎ取り、体中に唇を落とし乳首を舐めれば短い吐息が耳元で聞こえた。
そのまま片方を舐め、もう片方を指先で弄るとほんのりと色づく。
しばらくそれを繰り返しているとジュードは俺の髪の毛を引っぱり早くとでも言わんばかりに俺を誘った。

「ほら、ジュードも好きだろ? コレ」
「……ん、だからっ……早く……」
「やめろって言ったりやれって言ったり我侭だなぁ」
「だって……、そう教えた……でしょっ……?!」
「あぁ、そうだったな」

両足を持ち上げて、後穴を舐めて舌と指で中を解しながら性器を擦ればジュードの声が狭い室内を満たした。
指が二本簡単に飲み込む程解せた頃にはジュードは再び俺の髪の毛を掴んで催促した。

「なぁ、ジュード。誰からいらない事教えてもらったんだ?」
「と、っなりの……クラスの……っ………っ!!」
「へえ、誰だか知らないけどそんな事真に受けるなよ。それに、こんなに気持ち良さそうに腰振ってんだから今更もう止められないよな」
「……っあっ!! ア…ルヴィン、はやっ、んっ……!!」
「ほら、もっとちゃんとお強請りできるだろ? ジュード」
「お、にぃ……ちゃんっ……挿れてっ……!!」

そのままジュードの中から指を引き抜き、収縮を繰り返す後穴に性器をゆっくりと挿れれば食い千切るかの様に性器を飲み込まれた。
無意識に俺を煽るジュードにキスを落として腰を動かせば俺の背に爪を立てて甘い声で鳴いた。
この求められ繋がれているこの瞬間が何よりも愛に満ちていると錯覚していた。
だから止める事なんて出来ないと、ジュードの最奥に当てつけるように腰を打ち付けた。

「ひゃっ、あっ、そこっ……!!」
「そんなにガッつくなよ、ちゃんとくれてやるからっ」
「ああぁっ、ん、も、イっちゃ……!」
「いつでもイっていいんだぜ、俺もイくから……っ」

床が軋むような短い律動の果てにジュードは熱を放った。
それと同時にジュードの中へ熱を放ち、床に敷いたコートごとジュードを抱きしめるとジュードは息を切らしながら俺の頬に手を添えた。

「ほんと……悪い、お兄ちゃんだよ……」
「あぁ、わかってる」
「僕が大人になったら……どうするの……」
「ジュードはこんな俺を放ってどっかに行くわけないだろ」
「そんなの……わからないでしょ……」
「わかるよ、お兄ちゃんだから」
「……ほんと、駄目な人……」

力強く抱きしめたジュードの身体が、俺を受け入れ、俺の頬に手を添えるうちはジュードは俺を見捨てる事はないのだろう。
いつしか俺に愛され愛し繋がる事に存在意義を感じる程ジュードが堕ちたなら俺も永遠に変わる事なく行為を繰り返すのだろう。
ただそれを、兄弟とは誰も言わないだろう。

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