SS Six



僕が特別列車に乗ろうとトリグラフを迷っている時にルドガーと出会った。
皆の事は大切な仲間だと思っているけれど、同性で年の近い人はルドガーだけだから友達という言葉で表現される方が正しいのかもしれない。
そもそも仲間と友達という言葉に差なんて無いと思うけれど、ルドガーなら親友と呼んでも良いとさえ思う。

「ジュード、今日の晩ご飯はどうしようか」
「今日に限って皆自分達の好物ばっかりリクエストしてくるから困るよね」
「ならいっそマーボカレーサイダー飯フルーツ焼そばピーチパイとかどうだ」
「あきらかに美味しくないよねそれ! それ実行しちゃったら思考がレイアと同じだよ、ルドガー」
「じゃあ大きなプレートに小皿を乗っけてその中にカレーとサイダーとフルーツを乗せてプレート部分にご飯と焼そばとピーチパイを乗せれば綺麗だと思うんだ!」
「強引な発想だけど絵面は綺麗だと思うよ、うちのシェフは凄いよ……!」
「こうすればエリーゼも無理にフルーツ焼そばを食べる羽目にならなくていいからな」
「毎回レイアが勝手にフルーツを入れ出してティポに食われるんだ」
「ティポの好物はレイアなのか?!」
「違うよ、ティポの好物は僕だよ! たまにローエンも食べられるんだけど」
「食物連鎖を感じるな」







「ジュード、ご飯まだですか..?」
「ごめんねエリーゼ、お腹空いちゃった?」
「お腹ぺこぺこで死んじゃうよー!」
「空いたです」
「今焼そば作ってるからね、もうすぐしたら出来るから待てる?」
「ソースの良い香りが食欲をそそるね」
「わぁ!ティポ!」
「ジュード、ティポ入り焼そばって何て言うんでしたっけ」
「ティポ焼き?」
「アルヴィンと同じ事言わないでください!」
「え、エリーゼ?!ティポ洗わないと落ちないよー!」
「ソース臭い」
「それはティポが悪いよ、フライパンの中に落ちなくてもいいのに」






俺が社会人として一歩歩き始めた日にジュードと出会った。
一番の相棒はエルだけれど、一番の友人はジュードだと思う。
そもそも友人に順位を付けるのは可笑しい話だが、親友と呼んでも良いとさえ思う。

「ねえルドガー!! 今度、トリグラフ駅に新しい列車が配備されるみたいだね」
「ジュード楽しそうだな」
「だって、ルドガーが色々な事を教えてくれたから僕も興味が湧いちゃって」
「あぁ、それなら昔ので良ければ鉄道図鑑を兄さんが買ってくれた事があるんだ」
「鉄道図鑑?」
「これだよ、鉄道の写真が乗って説明まであるんだ」
「エレンピオスって凄いね、だってリーゼ・マクシアの本は手描きのイラストで写真なんてないから」
「面白いだろ?」
「うん、とっても!!」
「ならジュードにそれあげるよ」
「え? でもユリウスさんがルドガーにくれた物なんでしょ?」
「なんだけど、兄さんが俺を喜ばそうと通販で購入した事を忘れてて2冊あるんだ」
「ユリウスさんでもそんなお茶目な事するんだね……!」
「あぁ優秀なエージェントも家ではそんなものだよ」






俺が社会人として一歩歩き始めた日にジュードと出会った。
一番の相棒はエルだけれど、一番の友人はジュードだと思う。
そもそも友人に順位を付けるのは可笑しい話だが、親友と呼んでも良いとさえ思う。

「そういえば、配備される列車はいつくるんだ?」
「たしか明日だったと思うよ」
「明日、また10時か?:
「多分そうだと思う」
「なら、きっとドヴォール駅の近くであれが見れるぞ」
「あれってまさか、特別列車が出る日にしか見えないっていうアレ?」
「あぁ、そうだ。何人もの人間がそれを見る為にカメラを構えるんだ」
「いくらなんでも新型列車のお披露目の為に既存線を遠回りさせるなんて凄いよね」
「でもそのお陰で良いものが見れるんじゃないか」
「ねえ、ルドガー明日見に行こうよ!!」
「あぁ、いいよ」
「あの時刻表で計算され既存線と新型列車が交わるジャンクションは一回見てみたからね」
「立体交差は男の浪漫だからな」






僕が特別列車に乗ろうとトリグラフを迷っている時にルドガーと出会った。
皆の事は大切な仲間だと思っているけれど、同性で年の近い人はルドガーだけだから友達という言葉で表現される方が正しいのかもしれない。
そもそも仲間と友達という言葉に差なんて無いと思うけれど、ルドガーなら親友と呼んでも良いとさえ思う。

「そうそう、列車を見に行くからお弁当を用意して行こうか。あの付近は治安が悪いし料理屋もあまりないからな」
「そうだね、じゃあ明日は早起きしてお弁当作ろうか」
「何なら保温水筒に豆腐のみそ汁入れようか」
「うん、やっぱりエレンピオスって凄い……! じゃあルドガーの好物も入れないとね」
「俺の好物かぁ」
「ルドガーの好物って何?」
「これといって無いけど、毎日トマト料理を食べてるからトマトなのかな」
「じゃあ明日のお昼はトマトソースパスタにする?」
「和洋折衷も良い所だな……!」
「じゃあ和風にしてみるとか」
「あぁ、そうしようか。明日は早起きしないといけないな」
「うん!!」






僕達が出会ったあの日に沢山の事が起こった。
今もその過程でしかないけれど、友達--君と居る時だけは現実の辛さが漢和されるような気がする。
一番の友達だから、一番気が休まるんだ。

「ルドガーあともう少しだよね!!」
「あぁ、もう30秒でこの通常路線と特別路線に2つの列車が通る」
「きっとこのジャンクションで交差するのも時刻表で計算されてるんだよね!!楽しみだね!!」
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「初めて見たけど凄かったね、ルドガー!!」
「ジュードがそこまでウキウキとしてると16歳って感じだな」
「だってこんな話に乗ってくれるのルドガーしかいないから嬉しいんだ」
「なんかこういう話してると現実を忘れてただの友達みたいだな」
「うん、でも旅が終わってもルドガーは僕の一番の友達だと思うよ」
「俺もそう思うよ」

沢山の借金を抱えてから俺の前から友達は居なくなった。
だから借金を抱えて、指名手配される俺を気にも止めないで友達と呼んでくれる君を俺も友達と呼ぶよ。
一番の友達だから、一番側に居て楽しいと思えるんだ。






20130106~20130120

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