SS Five
「ジュード！飯はまだか！私は腹が減って大変だ」
「もうすぐできるから、待っててねミラ」
「ジュードの作る料理は全部好きだ、早く食べたい」
「ちゃんとお皿に取るからつまみ食いしたら駄目だよ」
「そ、それくらい...じゅるり」
「ミラ涎拭いて、そういえば精霊界じゃ食べ物は無さそうだしどうしてたの？」
「それは決まっている、ミュゼにジュードの作った飯を持って来て貰ったからな！」
「通りで最近ご飯作っても足りないと思ってた」
「美味かったぞ、ジュード」
「ジュード、ご飯まだですか..?」
「ごめんねエリーゼ、お腹空いちゃった？」
「お腹ぺこぺこで死んじゃうよー！」
「空いたです」
「今焼そば作ってるからね、もうすぐしたら出来るから待てる？」
「ソースの良い香りが食欲をそそるね」
「わぁ！ティポ！」
「ジュード、ティポ入り焼そばって何て言うんでしたっけ」
「ティポ焼き？」
「アルヴィンと同じ事言わないでください！」
「え、エリーゼ？！ティポ洗わないと落ちないよー！」
「ソース臭い」
「それはティポが悪いよ、フライパンの中に落ちなくてもいいのに」
「ジュード！何作ってるの？あ、この匂いは焼そばだね！」
「そうだよ」
「私のは絶対フルーツ入れてよね！」
「レイアの味覚って不思議だよね」
「そんな事ないよ！ジュードも食べてみてよ、絶対美味しいんだから！」
「でもそんな事したらフルーツティポ焼きになっちゃうし...」
「え、ティポ？」
「な、なんでもないよ！レイアのはフルーツ入りね！」
「あとサイダー飯も付けてね！」
「レイア炭水化物取り過ぎ」
「大丈夫！ジュードを追いかけ回して消費するから！」
「...そう言ってすぐお腹壊すんだから」
「もう、お母さんみたいな事言わないでよ！だからルドガーにあんな事言われるんだよ？！」
「ルドガーは的確に言ってくれたと思うんだけどな」
「ジュードさん、次はマーボカレーを作っておられるのですか」
「ローエンの好物だからね」
「思いっきり辛くして下さいね、ガイアスさんもそれが好きみたいですから」
「おいローエン、俺は辛いマーボカレーが好きだなんて言った覚えはない」
「どっちがいいの？ガイアス」
「いいえ、ジュードさん。思いっきり辛くして下さいね」
「いいやジュード！お前の甘いカレーが食べたいのだ」
「ガイアスさん強引に口説いて保身に走りますか」
「よくわからないけど、スパイスも甘味も使わなければいいのかな」
「そうだジュード、それでいい」
「わかったよ、ローエンもそれでいい？」
「わかりました、ガイアスさん今夜は焼酎でも飲みましょうか」
「仕方ないな、..とにかくお前の料理は何もしなくても美味いから余計な事はするな」
「うん？わかったよ...!」
「ルドガーそっちはもう出来た？」
「あぁ、エル用のスープも完成した」
「エルはルドガーのスープが好きだからね、だからルドガーに作って貰わないと。..僕もルドガーのスープ好きだけど」
「じゃあジュード用に少し多めに作らないとな」
「ありがとう、ルドガー。これだけ人数が多いとご飯を作るのも大変だね」
「本当だな、食費だけで凄い金額になりそうだ」
「底なしが多いからね、本当に」
「あ、良い匂いがする！エル知ってるよ！これルドガーのスープでしょ！」
「よくわかったな、エル」
「うん！エル、ルドガーのスープパパの次に大好きだから！」
「ふふ、良かったねルドガー」
「あぁ、そうだな」
「じゃあエル、もうすぐ出来るから席で待っててくれないかな」
「うん！エルおりこーだからそれぐらい出来るもん！」
「ねえ、ジュード。ミラがお腹を空かして大変なの。人間って大変ね」
「そうでもないよ、食べる事が好きなのは良い事だと思うし」
「私はマナが食事みたいなものだから、あ、ジュード。もう一回使役してみないかしら」
「それはちょっと..」
「だって皆はジュードの料理が食べれるのに私は精霊だから必要ないし」
「うーん、必要ないけど食べてみたらどう？美味しいと思うよ？」
「でも私にとっての一番のごちそうはやっぱりマナだから、ね、ジュード」
「ミュゼ、そんなに迫られても使役はしないよ」
「ふふ、本当にジュードは純粋なんだから。ガイアスに使役してもらおうかしら」
「焼酎飲む前に頼んだら良いよ」
「ショーチュー？」
「ミュゼのガイアス観が変わる前に、って意味だよ」
「わかったわ、それよりミラの為に早く作ってあげてね」
「はいはい」
「ジュード、飯出来たか。机の上に材料が乗っかってるって事はまだ時間かかりそうだな」
「あ、アルヴィン。それはデザート用だからご飯はもうすぐ出来るよ」
「今日はデザートもあるのか、羽振りがいいな」
「ルドガーと買い物に行った時に綺麗な桃があったから一緒に買ったんだ。だから今日はピーチパイだよ」
「そうか楽しみにしてる」
「アルヴィンが喜んでくれるなら嬉しいよ、でもそれでご飯残すのは駄目だからね」
「俺はそんなにガキじゃねーぞ」
「はいはい、ちゃんとご飯も食べたら出してあげるからね」
「へいへい。心配しなくてもちゃんと食うから」
「ならいいよ。でも前みたいに最後の一切れを取り合わないでね。大人なんだから」
「大人でもなんでも俺の好物だし、それにジュードが作ってくれたもんだからいいだろ」
「また今度アルヴィンだけに作ってあげるから、ね」
「..仕方ねーな」
「うん、だから待っててね」
「ごちそーさまでした！」
「あれ、ジュードは？」
「そこのソファーで寝てるみたいだけど」
「10人分の料理を作るのも楽じゃないですからね」
「皆の好きなものを作ろうと必死です..」
「だけどジュードのご飯が一番美味しいから仕方ないだろう」
「エルはルドガーのご飯も好きだけどジュードのもやっぱり好き！」
「2人共料理が上手いからな」
「風邪引くといけませんから、毛布をかけときましょうか」
「そうしないと皆ハラペコで大変な事になってしまうからな」
「本当にたいしたものだよ」
「あれ、ルドガー何作ってるの？」
「あぁ、豆腐のお味噌汁だよ」
「ジュードの好物だね」
「作っておけば起きたときにジュードが食べると思ってさ」
「うちのシェフは立派ですね」
「だから今は寝かせてあげよう」
「じゃあ私、お皿洗うよ！」
「私もお手伝いします」
「シェフが楽出来るようにお手伝いしましょうか、ね、ガイアスさん」
「ふふ、そうだ...にゃ」
「ガ...ガイアス...貴方...!?」
「にゃ、なんだ...ミュゼ」
「お、おいミュゼ！どうした！急に消えて」
「心配するなガイアス、ただイメージが崩壊しただけだ」
20121217~20130106