死ネタと強姦ネタが含まれる為ご注意の上お読み下さい。
もうすぐこの世界は終わる。
瘴気の噴出で世界の人口は2/3程に減ってしまったこの世界の再興はもう存在しない。
ここが残された最後の楽園、でもここはノアの箱船でもない。
ただ終わるだけの間を過ごす楽園。

「もうすぐ終わるよ、ジュード、もうすぐ開放してやるよ」
「...」
「この前の瘴気の噴出でリーゼ・マクシアは崩壊したよ、もう残されたのはここだけだ。だからもうすぐ君も大切な人に逢えるよ」


『世界の終焉』


ジュードが餌という役割を終えるのは捕まえてからすぐの事だった。
彼の思惑通りにアルヴィンはジュードを救いにこのクランスピア社に乗り込んで来た。
この会社に乗り込んで制圧しこの社長室に入ってくるまでは本当に見事だった。
けれど籠に監禁され手足に拘束用黒匣を着用されたジュードを見てアルヴィンの手は鈍った。
そう、このスイッチを押したらジュードの手足は爆発すると伝えてあげるだけでアルヴィンは動揺した。
あとは捕まえてガラスの檻の隣の檻に入れて、それでおしまい。

「ガイアスの傷は深い、もうこの世界は終わりに近づいちまってる。なのにこんな事に何の意味があるんだ!」
「なら俺達が存在した意味はなんだったんだ」
「...たとえ、存在の意味が自分の悲しいものだったとしても、それでも消滅を恐れずに世界を変えた奴を知っている...」
「俺は、そんなに強くもないんだ。失う事が怖い。だからそれを強要しようとする皆が憎いよ」
「...」
「だから、アルヴィン。君も失えばいいよ。目の前で、何もできずに」
「うあっ!」

アルヴィンとの下らない話を切り上げ、檻の中で横たわるジュードを無理矢理起こし殴って意識を戻す。
そうするとジュードは痛みに目を覚まし、虚ろな視線で俺を睨んだ。
あれだけ俺の事を優しいとか頼りになるとか言ってた人と同じ人か疑わしいぐらいに。

「ジュードに何をするつもりだ!」
「何って、今からアルヴィンに悲しんでもらう事しか考えてないから。する事は一つだろ?」
「ルドガー...!!」

怒り睨むアルヴィンからジュードに視線を移す。
シャツをたくし上げ、ズボンだけ膝まで中途半端に降ろすとジュードは嫌がるように身を捩った。
指先で乳首を摘むと声を出さないようにしているのかくぐもった声が漏れた。

「アルヴィンの為に声は出さないのか?そんな無駄な事はやめとけよ」
「ーっ..!」

まぁそれもいいか、と思い乳首を抓りつつも片手で萎えている性器を掴み刺激を与える。
後ろからガラス越しにアルヴィンが叫んでいるけれど、聞こえてない届いてない、と無視を続けた。
そして競り上がって来る熱にジュードが我慢できなくなってきた頃に乳首を抓っていた指で後孔を弄る。

「やっぱジュードってこういうの慣れてたんだな、アルヴィンが開発してくれたのか?」
「ル、ドガっーには、かっんけいない...!」
「そう?ならいいけど。俺の指を凄い締め付けて来てなんかエロいな」
「...!」
「そろそろ入れていいか?あぁ、ギャラリーも暇だと思うしジュードはアルヴィンの方向いとけよ」
「やっやだっ、ルドガー!やめっ!」

ジュードをアルヴィンの檻と境目のガラス癖に押し付けて後ろから一気に挿入するとジュードは情けない声を出して叫んだ。
そして対面のガラスの先に居るアルヴィンに助けを求めるように泣いてアルヴィンの見つめる。
アルヴィンはガラスを叩いてジュードと見つめ合うように苦しい表情をしている。

「あっ、アルヴィン...アルヴィンっ..!!」
「今ヤってるのは俺だろ、ジュード」
「ア、ルヴィンっ!!あぁっ、っや!」

ジュードはアルヴィンの名前を呼び続けた、恋しい人に救いを求めるように
アルヴィンもジュードの名前を呼び続け、止めるように俺に説得をし続けた
俺は止めるつもりも無くジュードの下肢を犯し続けた。

「アルヴィンを求めてる癖にここ、もう限界なんだろ」
「うあぁっ、さわら、ないでっああぁっ!」
「だからジュードがイったら解き放ってあげるよ」
「どっ、ういう事っ...!?うあぁぁっ!!」
「...こういう事だよ」

ジュードがガラス癖に白濁の液を解き放った瞬間、手元にあったスイッチを押した。
それは隣の檻の自爆スイッチ、そう文字通りアルヴィンをこの世界から解き放ってあげた。
ジュードは向かいの檻の崩壊に呆然として見つめ、恋しい人の名前を呟き泣いた。

「ア..ル..ヴィン...?..ア..ル..ヴィン?」
「ジュード、失うってこういう事だ。悲しいか?」
「....アルヴィン......?」
「皆は近い将来に俺にこういう事を押し付けるんだ、世界の犠牲になれと」
「....ア....ル...ヴィン....?」

呆然とするジュードに白衣をかけて俺はこの檻から出た。
そしてジュードはこの日を境に喋る事を忘れたかのように口を開かなくなった。
この世界に撃つ術無しと認識したのか、アルヴィンを失った事へのショックか

「ルドガー!どうしてテレビなくしたの?エル、サンオイルスター見たいのに」
「電波棟がもう瘴気に溢れてテレビが見れなくなったからな」
「ルドガー、貴方..なんでもない」

自分が再びこの場所に居る事の理由を理解したミラと兄さんの顔色は悪い
けれど2人共俺を責める事はなかった
理由を知らないエルだけがこの世界の光だった
俺はそんな家族ごっこでも愛しく思えた。
世界が終わるまではこのまま愛しい人と過ごしたいと思えた。

「ジュード、ガイアスが崩御したよ。瘴気とあの戦いの傷が原因みたいだな」
「...」
「あぁ、そうそう。精霊山から化石が見つかったんだ。君の作りかけの装置で試したらミュゼの化石みたいだよ。もう捨てたけど」
「....っ...」

親しい仲間の死の知らせはこのガラスの檻を涙でいっぱいにした。
来る日も来る日もジュードは泣き続けた。
それを不審音に感じた警備が檻のドアを開いてしまう程にジュードは泣いた。

「ジュード、世界に残された場所はもうここだけみたいだよ。俺の愛しい人達も瘴気で亡くなったよ」
「....」
「そうそう、君に最後にプレゼントがあるんだ。ミラが亡くなってしばらくしてから俺の元に来たけど、ミラ=マクスウェルの化石だよ」
「......!!!」
「約束を守れない辛さが分かるか、ジュード」

ジュードは愛しい人と恋しい人と親しい友人達の名前を呟きながらまた泣いた。
ミラ=マクスウェルの化石と崩壊した隣の檻から見つけたアルヴィンの銃を抱きしめて泣き続けた。
本来ならば俺一人が受けるはずの痛みを一人負い、涙を流し続けた。

「ジュード、世界が終わるよ」
「...」
「だから、一緒に終わろうか」

俺はこの檻のスイッチを押し、ガラス壁を排除させた。
そして檻に溢れて入って来る、紫色の風、瘴気。
ああ、兄さん、ミラ、エル、今から皆の所に行くよ。
神に変わって人間に罰を与えてしまった俺をどうか、優しく受け入れて下さい。

「さようなら、歴史が繰り返されるその日まで」

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