「ここどうやって解くんだっけ...」
「ここはー」
「アルヴィンは答え言わないで、課題なんだから!」
「相変わらず優等生だな」
「借りにも先生でしょ?」
此処は放課後の教室だ。
放課後の学校の見回りをしていたら熱心な事に一人教室で勉強していた所を見つけた。
「ここ、違ってねえか」
「どこ?」
「ここの式ちょっと違うだろ」
「ホントだ。アルヴィンって地味に頭いいんだね」
「地味には余計だ、仮にも"先生"だしな」
「ふーん」
「それは、そうとちゃんと"先生"と呼んでくれよ」
「今更?」
他の先生には尊敬とかそんな念を込めてるのに俺にはこんな対応。
他の先生は良い子だと褒めるが俺には普通の奴にしか見えない。まぁ優等生には変わりないが。
「じゃあ先生。」
「なんだ?」
「異性が異性に恋慕を求めるのは生殖本能があるからですよね」
「そうなるのかな」
「じゃあ、僕たちってなんなんだろうって」
「そりゃまー難しい問題だこと。生物はそんなに詳しくねーぞ」
ジュードはペンを机に置いて顔の前で手のひらを組んで俺をじっと見つめて来た。
狙ってんのか、狙ってないのかわからない奴だこと。
「じゃあ教室で隠れて息をひそめて行為するのは何で?」
「昨日ここで襲ったの根に持ってる?」
「質問に答えてよ」
「うーん、スリリングを追求?」
「僕は恥ずかしかったのに」
「でも嫌じゃなかったんだろ」
「普通はしないよね」
「まぁ、そうなるかな」
ジュードの髪をサラリと撫でてヘアピンをキュッと持ち上げる。
ジュードは痛いようなくすぐったいようなそんな表情をしていた。
そのまま顎に手を付けて唇に軽くキスをした。
「アルヴィン、また」
「いいじゃねえか」
「もう」
「男女が正しいとかベッドの上が正しいとかそんなの気にすんなよ」
「なんでアルヴィンが先生なんだろう」
「なんでだろうな」
「教科書通りに授業しないし靴下穴開いてるし」
「悪かったな」
そのまま再びキスをして空いた手でジュードの髪を撫でると良い匂いがした。
唇を離すとジュードはふいと視線を外した顔はすっかりと紅潮していた。
「まぁ、人生に正しいなんて人それぞれつうことだ。」
「少なくとも放課後の教室で生徒に接吻するのは正しくないと思うけど」
「うるせー」
『数奇な話をしようか』
10.000Hitリクエスト企画第二弾です。
ライン様リクエストの『学コスパロのアルジュ』です。
ご希望に添えたでしょうか?
ジュードの髪の毛っていいにおいがする予感。
語りっぽくなってしまいました。
リクエストありがとうございました!!