「ジュードって本当にアルヴィンくんの事好きだよね」
「だって、放っておけないし..心配だから。ね。」
「こら!惚気るなー。でも、ジュードってどういう風にアルヴィンに好きって言ったの?」
「僕?」

首を傾げると、「え、違うの?」とでも言わんばかりな表情のレイア。
そんな表情のレイアを適当に誤摩化して、いつものように話の路線を変えた。
それは僕だけが知っていればいいと思ったんだ。


『君が僕を呼ぶ甘美な瞬間』


「はい、みんな。今日のご飯!」
「わぁーやっぱりジュードのご飯はいつも美味しそう!」
「でもアルヴィンの好きな食べ物が多い気がします..です。」
「ジュード!おかわりはないのか!」
「そんなに食べたらバリボーのボディが無くなっちゃう!」
「ミラさんは今日一番動いてましたから一番お腹が減ってるのでしょう」

他愛のない会話。
そんな中、アルヴィンは好物を胃の中に流し込み満足なように見える。
それを見るのも束の間、ミラからおかわりを催促され料理を再度盛る。

「ごちそーさん」
「お、アルヴィン!食べないならそのピーチパイをよこすのだ!」
「ふぅ..ミラよくそんなに食べれるです。」
「育ち盛りだからね!」
「ミラいいなあ、わたしも食べたいー!」
「レイアさん私のを食べて下さい。」

そんな食事が終わり、野営になった今晩はそのままここで就寝することになった。
片付けがあるからと、見張りをする事になった僕はゆっくりと片付けを進める。

「アルヴィン、見張りなら僕がするから寝たら?」
「いいんだよ。」
「本当にアルヴィンって見栄っ張りだよね。」
「いきなり何て事言うんだよ。」
「その通りでしょ。」

僕の中のアルヴィンは幼いの男の子ぐらいに思える時がある。
母さんの事が大好きだけど、同い年の女の子が来たら急に手に掴んでいた母さんのスカートから手を離し、その手をポケットに詰めてカッコつけ。
もちろん掴まれたのは僕の服の裾でもなく、心だったりもしたのだけれど。

「ジュードくん、お腹減った。」
「ほら、ね。ほら僕の分のピーチパイあげるから。」
「ジュードが食べさせて。」

二人きりになれば、こういう風に甘えてくるのだ。
この時だけは、好き 大好き という言葉は惜しみなく吐く。

「もう、アルヴィン?僕の手まで食べないでよ。」
「だってジュードくんの手甘い。」
「ちょっと、アルヴィンー。」

宿屋や野宿になったり、密室で二人きりになると豹変するアルヴィン。
普段はあまり僕とは喋ろうとはしない、きっとそれはアルヴィンなりの他所行きなんだろう。
一緒に見張りをすると言った癖に僕の膝に頭を乗っけるこの男。

「そういえばね、レイアがね。どういう風に僕達こうなったの?って言ってたよ」
「へえ」
「思わずアルヴィンがくっついて離れないからなんて言いそうになったよ」
「嘘だろ」
「嘘だよ、だって、僕だけが知っていればいいから。ね。」

僕とアルヴィンの秘密。
僕を掴むアルヴィンの指は赤子のように離してはくれない。


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Thanks//確かに恋だった

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