拍手のラプンツェルの続きのお話ですが改変されております。

「ねぇ、おばあさん。」
「なんだい。」
「僕の服、なんかキツいんだけど、なんでかな..?」


『崩落するまで永遠に愛し合いましょう』


魔女は怒り狂うように僕に暴力を振るった。
そして『こんな長い髪なんて切り落としてしまうよ』なんて言い出した。
僕にとって一つ救いとなったのが、ここに刃物が無かった事。
魔女は僕の頭を強引に掴み僕の髪を伝って塔の下へ降りていった。

どうか、どうか、魔女より先に彼が着てくれますように。
僕は願った。
僕はここを出る方法がないのだから。

僕の願いは魔女に勝ったようで先に彼が塔に昇って来た。
僕は彼に訳を話すと僕の長い髪をすぐ引き上げた。
そして僕らは塔の下で魔女が居る事に気がついた。

「僕がね、幼い頃、まだこの塔に来る前に本で読んだ事があるの。」
「なんだよ」
「お姫様は荒野に捨てられて、王子様は塔から落ちて失明ちゃうんだ。」
「そうなのか」
「でもね、7年後にまた巡り会って幸せに暮らすんだって」
「いい話じゃないか。」
「僕はね、7年もアルヴィンに会えないなんて耐え切れないと思うんだ」
「俺もジュードに7年も会えないのは辛いよ」

アルヴィンは僕の長い髪に手を伸ばす。
その手にそっと自分の手を伸ばす。

「だからね、僕の髪の毛を切って欲しいんだ。そうすれば魔女も昇って来れないから」
「...」
「アルヴィン、国を選ぶなら降りて。僕を選ぶなら切って。」
「無茶な選択させるなあ」
「アルヴィン....」

俯く僕の髪の毛を愛でるように撫でてアルヴィンは腰元のナイフを僕の髪に当てた。
そして僕の髪の毛を切った。

「これで...死ぬまで一緒に居られるよね?アルヴィン....」
「死ぬまで一緒だ、ジュード」

食べ物が尽きて死んでも、塔が崩壊して死んでもいつまでも一緒。
死が二人を分かつても永遠に愛し合いましょう

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