「ジュードセンセ、見つけたよ?」
「本当に懲りないね、アルヴィン警部。」
「俺からしてみたら懲りないのはセンセの方だと思うけどな。」

目の前のジュード・マティスはクスクスと笑った。
彼は、とある男を薬物中毒死させたとして疑いが掛かっていた。

「だから、僕は殺してないよ?あの人が死にたいって言ったからそうさせてあげたの。」
「それでもあの"薬品"は所持してるだけで違法なんだよ。わかる?」
「わかってるよ。だから持ってない。あの時、僕が所持してたかどうかはわからないでしょ。」
「屁理屈なら署で聞くぞ。」

逃げ場の無い、密室。俺の勝ちだと決まっている状況でも彼は笑う。
不気味。その言葉が一番合っていると思う。

「アルヴィン、僕ね、まだ君に捕まる訳にはいかないんだ。」
「んーでも俺はおたくを捕まえないと怒られちゃうんだよね。」
「じゃあ"前"みたいに見逃してくれない?ね、アルヴィン。」

拳銃を持っている俺に怯えようともしないでじわりじわりと近づいて来る。
また、俺はこいつに丸め込まれようとしている。

「アルヴィンは別に悪を捕まえたくて仕事してるんじゃないでしょ。だからいいでしょ。」
「...それ以上近づくと撃つぞ。」
「アルヴィンは撃たないよ?」

そういう家柄だから、と自然に着いたこの職業。
治安を守る意思すらなければ、何の考えすら無い。そう、彼の言っている事は正しい。

「だから、アルヴィン、僕とここであった事、全て忘れてくれるよね?」
「無茶な事言うなよ。」
「僕をここまで執行に追うのは君だけだからね。だから、ご褒美はあげるよ。だから。」

『アルヴィンの大好きな事してあげるよ。』と彼は言った。
俺の唇にキスを落として、ズボンに手を伸ばし手で性器を支えその紅い舌で舐め上げる。
前にも同じ事を何回も繰り返して来た。
それでも捕まえられないのは、正義感がないという事。
それと、彼とまた繋がりたいという植え付けられたのか自然に思ったのかわからないけれどそういう欲求があるから。

「アルヴィン、...」
「お前まだ、解してないだ..ろ」
「大丈夫だよ、僕は。ね。」

ジュードがズブズブと腰を落とせば、熱い粘膜の中で溶けそうになる。
無駄に温かくて気持ちよくて、振動を与えられるだけ中で弾けそうになった。

「アルヴィン、も、本当こりないよね。」
「おたくがこりないからだ、よ!」
「うっああっ」

下から思いっきり着いてやれば、やっと可愛らしく鳴いた。
それを何回か繰り返してやると、中が異様に萎縮して俺を締め付けた。
それが気持ち良くて、下からいい所を思いっきりついてやれば更に締め上げて腹に白濁の液をぶちまけた。

「っ、はっ...」
「皆は気づいてないと思うんだけどさ、センセ、あと10数件ぐらいやってるでしょ?」
「アルヴィンは僕のストーカー?」
「犯罪者にストーカーって言われてもな。」
「でもアルヴィンは僕を捕まえない。僕が大好きだからね。」

そう、彼は自分の衣服だけ整えると部屋から出ようとする。
その足首を思いっきり掴めば、うっとおしいと言わんばかりに見て来る。

「続きが欲しいなら捕まえたら?僕はね。まだ、捕まってなんかあげないよ。」
「お前の望みはなんだよ。」
「僕の望み?さあ、なんだろうね、アルヴィン。」

そう彼はまた艶やかに笑って、俺を取り残してその場所を去った。
いつか彼を捕まえて、縄で縛って、暗い部屋に閉じ込めても彼はそう、笑うのだろう。
彼自身が毒薬で、麻薬のようなものだと気づく頃には全て彼によって終わらせられるのだろう。


『ねえ君にこのほほ笑みの意味が分かる?』


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Thanks//確かに恋だった

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