「あちぃなぁ、今日は」
「だって今日太陽が真上ですからね。」
「通りで影がねぇ。」

これは、青峰君と僕がまだ楽しんでバスケをしていた頃。
それから数ヶ月が経って"あの事"が起こって青峰君が独立してしまった頃だった。
そうすると皆もそれぞれ独立していった、才能の開花と共に"人任せ"な自分の不用。
僕は、ひとりぼっちに、なって、しま...う...?

「もう、誰も黒子っちのパスを必要としない、それが悲しいんスよね?」
「..わ、か、らない..です..」
「知ってるっスか?太陽って真上から刺すと影が消えちゃうんスよ。」
「..消える..」
「もうみんな、自分の力のみを信じてるスからね。太陽が昇れば昇る程影が消えるんスよ。だから、黒子っちは悲しいんスよね。」
「...嫌です..」
「でも大丈夫っスよ、誰が黒子っちを求めなくても、俺はずっと黒子っちの側に居るスから。」

練習に耐えられなくて、気づいたら僕はその場から消えて体育館倉庫に居た。
多分、僕が消えても誰も気づかない。
そう思っていたら、黄瀬君が気づいたみたいで僕を探しに来た。

『黒子っちどうしたんスか?』
『き、黄瀬く..ん..』
『黒子っち!泣いてるじゃないスか!どっか痛いんスか?!』

そのまま黄瀬君の腕の中に僕はすっぽり収まってしまった。
僕が「どうして、気づいたんですか?」と聞けば「黒子っちが好きだからスよ!」と言っていた。

「でも、俺もそろそろ自分だけでもいけると思うんス。」
「...え?」
「黒子っちとの連携プレイも良いスけどね。やっぱり青峰っちに憧れてるっスからね。」
「それだけは、嫌..です...いや、で、す..」
「..大丈夫っスよ、俺に相手してもらわないと黒子っちひとりぼっちになるスからね」
「..ひとり、は、いや..です...」
「ほら、泣かないで黒子っち。俺がずっと側に居るっスから。」
「..そ、ばに、居る..?」
「ずっと..ね。だから、ほら、黒子っち、俺のお願い聞いて貰えるっスか。」
「..おね、が、い...?」

そう言った瞬間、僕は黴臭いマットに押し倒されていた。
意味がわからなくなって、黄瀬君を見上げれば"わかるっスよね?"とでも言いそうな顔。

「いやっ、やめ、てください、黄瀬くん..!」
「ここで拒めば、黒子っちは消えちゃうっスよ。ひとりで、誰からも必要とされないスよ。」
「それは、..いや、こわい、で..す..」
「でも黒子っちも俺の事を受け入れてくれたら、ずっと側に居るっスよ..」

光が昇れば昇る程、影は消える。
僕は、影。
皆は、光。
僕が、消える―?

影は光がないと産まれない。
けれど、光は影がなくても生きていける。
いらない―?

「黒子っち、わかるっスよね?」
「....は..い...」
「泣かなくていいっスよ?俺ちゃんと優しくやるっスから!」

僕は、泣いているんですね。
でも、黄瀬君に抱かれるのが怖くて泣いているんじゃないんですよ。
ひとりでいきていくことができない、自分に泣いているんです。

「黒子っち、服脱いで欲しいっス。あ、でも初めてだから俺が脱がしてあげるっス。」
「...!黄瀬、くん...ここで、ですか?」
「大丈夫っスよ。誰も来ないっスから。」
「..寒い..です..、それに、...怖い」
「後で沢山汗かくから大丈夫っスよ。...やっぱ、黒子っちの肌は綺麗っスね。女の子みたいっス」

そんな感想はいらないです。僕を辱めて楽しいんでしょうか。
黄瀬君の手は僕の体に触れ、僕が小さく声を出せば楽しそうに笑う。
その手はどんどん僕の後孔に近づき、狭い所をこじ開けようとする。

「い、たいです...きせ、く..ん..」
「大丈夫っスよ、はじめ少し痛いだけっスから。」
「っ、ひっ、ん、やっ」
「ほら、指増やせたっス。これならもう少ししたら俺の受け入れてくれるっスよ」
「へっ、ひゃっ、こ、わい」
「黒子っち赤くて可愛いっス、怖くなんかないっスよ。だって黒子っちと繋がれば嫌でも一人にならないっスよ」

一人にならない。
黄瀬君がそう僕の耳元で呟く。

「だから、もういれてもいいっすよね?」
「そ、れ、..いれるん、ですか..」
「当たり前じゃないっスか。保健で習わなかったっスか?まぁ、入れる場所は違うっスけどね。」
「そ、んな..大きいの、無理...です」
「じゃあ、いいんスか?」
「....!!や、やです..だから、続けて、下さ..い」
「いいこっス...黒子っち。」

ゆっくり、僕の足を掴み腰が浮き、黄瀬くんのが僕の後孔に当たる感覚。
黄瀬君は僕の唇にキスをして、そのまま僕の中へ腰を進めた。

「!!き、せ、く..ん!いた、いです..」
「すぐ、痛くなくなるから、大丈夫、スよ」

そう言って、黄瀬君はゆるゆると腰を動かし続ける。
こんなのが、痛くなくなるなんて事はない、受け入れるようにできている訳じゃないのだから。
僕はぎゅっと目を詰むって、黄瀬君の肩を握って、ひたすら時間を待つだけ。

「可愛いっスね、黒子っち。大好き。」
「っ、は、そ、です、か...っ」
「黒子っちは、俺だけのものっス..」

そう言って黄瀬君は僕の上で腰をひたすら進め、僕の中にどろっとした物を放った。
僕は何をやっているのだろうか。
そして、彼もなにをやっているのだろうか。
こんなの、なにも、うまないのに。

「黒子っち!どうしたんスか!痛かったっスか!」
「違うんです。黄瀬くん....」

自分が余りにも不甲斐なくて。
黄瀬君を利用し、利用された僕が悲しいのです。

「黒子っち...」
「...」
「いいんスよ。お互い持ちつ持たれつじゃないっスか。利用すればいいっス。その変わり、俺もそうするっスから」
「...」
「大好きっス...」
「.......はい。」

僕は影。
昇りすぎた光によって、消えかけの影。
今はまだ、わずかに残る影。

「黒子っちの光は、俺っスよ」
「....はい。わかりました。黄瀬くん。」

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