「アルヴィン、僕ね、結婚するんだ」

ずっと、好きだった。
だけどその思いは伝えずにいた。
自分がちゃんとした人間になったら、伝えようと思っていたから。
その努力も、苦労も全てジュードの為にあった。
全てが崩壊する音がした。


『もう戻らないあの日々』


久しぶりに会って、前より髪の毛が長くなったジュード。
そんなジュードが頬を赤く染めてそんな事を言った。
一瞬気が遠くなって、気づいたらジュードが俺の顔を覗いていた。
相手を言っていたが、何処の誰かさえ耳に入らない。
ただ、俺の目の前で笑うジュードが汚い娼婦のように思えた。
汚いのは、自分だというのに。

「そうか、よかったな。」

片言でしかない祝福の言葉。
その言葉で嬉しそうに微笑むジュード。
本当にお前は何もしらないんだな。
苛立ちすら覚えて、自分の腕に爪をくい込ませる。

「結婚式、来てくれるよね?」

小首を傾げてそう聴くジュード。
「あぁ」と短い返事をすれば、喜ぶように笑う。
何もかもが遅かったのだと後悔する。
誰よりも、ジュードの事が好きだったのに。

カーンカーン、とザイラの森の教会の鐘がなる。
ジュードが選んだのは、普通の人で、普通に知り合った人。
本当なら、そこに居るのは俺だったはずなのに。
様式も衣装も何もかもが相手の好みが反映されていて、気持ち悪ささえ感じる。
ジュードはあの装飾が似合うのに、俺の方がもっと、もっとジュードに合うものを知っているのに。
悔しい。悔しい。酷い。愛したい。愛してる。好き。だったのに。

「アルヴィン、用って何?」
「終わったばかりなのに悪いな。」
「いいよ。皆もう家に帰っちゃったから。」
「そうか。」
「で、何?どうしたの?アルヴィン」

そう、首を傾げて俺に訪ねて来るジュードを教会の石柱に押し付ける。

「な、なに?アルヴィン..?」
「そういう風にしてあの男にも優しくして手玉にとったのか?」
「だから、何?いきなり、変な事言わないでよ。」
「誰にでも媚を売って、へこへこして、汚い娼婦みたいだな」
「そんな事を言うために僕をここに残したの?!アルヴィンにそんな事言われる筋合いないよ!」
「黙れよ。」

乱暴に頭の装飾品を取り、石畳に投げつける。
パール外れ床に散らばる。
それを悲しみと怒り混じりの表情で見つめるジュード。

「へぇ、余所見なんて余裕あるんだな。」
「きゃっ」
「これ何、シルクだっけ?まぁ別にいいよな?もう一生着る事もないだろ。」

懐にいれていたナイフで胸の開いた部分から一直線にドレスを切り裂く。
露になった胸と下半身を細い腕で隠そうとするジュードの腕を掴み石柱に押し付ける。
痛そうに顔を歪めたがそんなのは気にも入らない。

「やめて..アルヴィン。」
「やめねーよ。今更。」

片手で腕を拘束して、開いた片方の手で柔らかい乳房を揉み、先端を摘めば食いしばるように顔を顰める。
指を離し顔を近づけ、甘噛みすれば短い言葉が口から出出す。
手を下へ下へ下し、秘部を触れば微かに濡れていた。

「何、ジュード君、強姦されてんのに感じてんの?」
「っ...」
「顔顰めんなよ」

腕を拘束していた手を離し固く閉じた口を指でこじ開け、口の中を掻き回す。
それと同時に秘部の膨らみを指で摩ったらこじ開けられた口から喘ぎが漏れ出す。

「俺に犯されて気持ちいの?それってなんて言うか知ってるか?」
「っ、はっ、あっ」
「淫乱って言うんだぜ」

そう耳元で囁いて、陰裂を割れば生暖かく湿っていた。
指を二三本同時にいれて掻き回しても吃さを感じなかったので指を引き抜いて自分の性器を一気に突っ込んだ。

「ああっ、っは、ア ヴィ」
「知ってるか?七つの大罪って。色欲って罪になるんだぜ。しかも教会で強姦されてヒンヒン喜んで、ジュード君は大罪人だな。」
「っひゃっ、、んっ」
「気持ちよ過ぎて言葉にもならないって?」

そのまま、ズンズンと突き上げればジュードの口から出る喘ぎ声は止まらなかった。
ただ時折、「やめて」とか「ゴム付けて」とか泣きそうに言うだけ。
ジュードの中で少しずつ質量を増す性器をジュードは感じ取り複雑そうな表情をするだけ。

「あ、もう限界だ。いくぞ。」
「っあ、る、ヴィン、っあっ、おねっ、、ゴム、、っあ」
「孕めばいいじゃねーかよ。俺とジュード君の子供。」
「っはっ、ひ、どい..っああ"」

ドロリと自分の欲をジュードの中に吐き出した。
破れたドレスの上にジュードを下ろして、その細い体を抱き寄せればジュードは泣いていた。
後になって、自分は本当に取り返しのつかない事をやってしまったと感じた。

「ジュード....」
「....」
「ジュード、好きだった...」
「..........もう、遅いよ.....。」

消えそうな声でジュードは『僕も  だった。』と言った。
それを聞いて、本当に、手遅れだったのだと気づいた。


「ジュード!出産おめでとー!無事産まれて良かったね!」
「本当、よかった..です。」
「2人共ありがとう..。」
「可愛い..です。」
「本当ジュードそっくりだね。旦那さん金髪で緑瞳なのにジュードが全部とっちゃったみたいだね。」
「....うん。そうだね。」
「ジュード、元気ないです..。」
「あんまり長いするのも悪いし、また来るねジュード。」
「元気出してください..です。」

あの教会の出来事から数ヶ月経って、子供が産まれた。
アルヴィンに強姦された後、体を念入りに洗い旦那と性行為をしたから妊娠時期は疑われてはいない。
レイアが言った通り、僕の旦那は金髪で緑瞳なのに子供は僕と同じ色。

「...よお」
「...なにしに来たの...?アルヴィン。」
「...レイアとエリーゼに連れられて来た、...けど帰るわ。」
「多分、僕とアルヴィンの子供だよ。」
「...悪かった。」

そう言ってアルヴィンは僕の病室から去っていった。
僕の隣で眠る子供、黒髪でオレンジ色の瞳をしている。
きっと、オレンジ色なのは僕じゃなくてアルヴィンのだとなんとなく思った。

「アルヴィン...僕はいつまで待てばよかったの?...もう待てなかったんだ。.....ごめんね。」


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Thanks//確かに恋だった

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