一行がエレンピオスに着いてしばらくがたった日だった。
時間がわずかにあいたので、自由時間にしようと誰かが提案したのだ。
近づく決戦、大きな戦闘に向けて最後の息抜きだと誰も反を唱える者はいなかった。
ジュードはその一日を街を見て過ごそうと決め、早朝に出て行った。

「おかしいな、さっきから同じ所を回っているような気がする」

色が少ないこの街はどれも同じ建物に見え小さな緑さえもなく目印も少ない。
自分が迷子だと気づく頃には当たりは薄暗くなってしまった。

「ねえ、君迷子?」
「...そうだと思います」
「ここら辺は道が入り組んでるからな、わかりやすい所まで案内してやるよ」
「ありがとうございます。」
「居住区に連れていけばわかるだろ?」
「はい!」

人の良さそうな笑みを浮かべて僕を案内するのは少し背の高めの男。
知らない世界で、知らない街で知らない人に着いていくのは少し怖いが、こういう場合は仕方がない。
「こっちこっち」と着いていけば、僕の知らぬ風景はずっと続く。

「こんな、所通って来た覚えないんですが..」
「君最近来たの?近道だよ」
「そう、なんですか」
「ほら、ここ!」

そう言って彼に背中を急に押され僕は地面に勢いよく倒れ込むはめになった。
急いで起き上がり、その人物から離れなければならない。と考え地面に手を着いた。
しかし、背中に重みを感じた為起き上がる事ができない。
背中を踏まれているのだ。そして首筋に突きつけられた鋭利な刃物。

「嘘を、吐いたのですか?!」
「嘘、じゃないね。僕。ここは居住区だよ。」
「ここが..どこが!」
「"俺たち"の居住区だよ。貧困街-スラム-に迷い込んでくる君が悪いんじゃない?」
「スラム..?!」
「本当に君何にも知らないんだな。君の言う"居住区"に住めるのは金を持った奴だけだ」
「っ、痛い..」

刃物が僕の頬に直線に傷をつけた。ポタポタと地面を血が濡らしている。
金銭が目的なのだろう、じっとして時間を待つしかない。

「何のために..」
「一つはお金かな。でも君、子供だしお金持ってないだろ?だから、"ほら出て来いよ。いいの捕まえたぜ!"」
「?!」

彼の言葉で細い通路から数人の男が出て来た。
ますます理解ができない。彼が何を考えているのかさっぱりわからない。

「こういう街の女って対外病気持ちでさ、うっかり手出しもできないし。居住区の女は此処には一歩たりとも近寄らない。だから丁度いいとは思わない?」
「だ、から..意味が..わからない」
「わからなくてもいいよ、ただ抵抗はしないでね。ここじゃ何人殺そうが罪にはならない。」

僕に近寄って来る数人の男は僕の顔を引き寄せると厭らしく嗤った。
その顔を、手を殴ってやりたいけれど僕の背中に乗る足と頸動脈付近にある刃物 抵抗もかなわない。

「良い子にしてれば気持ちイから、ほら相手、してよ」
「はな、し」
「結構力強いな、おい押さえとけよ。」

体を反対に向けられ、僕を襲った人の顔がよく見える。
頸動脈から刃物が遠ざかったすきに逃げなければ、と両手を振るうも武器なしの手は地面に縫い付けられた。

「や..めてください!!!」
「すぐ終わるから、じっとしとけよ」
「離して、下さい、お願いし..」
「抵抗しない方が楽だよ?痛いの、嫌だろ?」
「...僕を、帰して下さい...!!」
「じゃあ、遠慮なく痛くしようかな」

そう言って僕の首を掴むと男は嗤う。周りの男達も同じように嗤った。
一人の男の手が僕の衣服に触れ、身をよじるがその姿さえも嗤われる。
"逃げなきゃ"と"怖い"が僕の頭の中をループする。

男が僕のズボンを脱がすと同時に膝の裏を抱えられ体が浮き上がる。
露出された下半身、まとわりつく目線と生温い風に不快感しか感じない。
そして後穴にボタッ、ボタッと液体が落ちる感覚。
気持ち悪い。

「っ、、、や、め、何も、しない、で」
「見るからに閉じ切ってるけどこれいけんの?俺らの食いちぎられるんじゃね?」
「んな事ねーよ、まぁ、慣らさなかったらありえるけどな」
「っ、!!い、いたい、いたい、なに、いたい、抜いて、いや!!」
「指だけでそんなに悲鳴あげんなよ、..うるせえよ」
「いたっい、ううっ、ああ、やだ、いたい」

ただ、僕にできるのは叫ぶ事と力の入らない体を左右に攀じる事だけ。
彼等は性行為がなかなか進まない事に苛立ち、僕の下半身にボタッと液体をまた垂らした。

「っ、ううう、ぬ、いて、いた」
「指もう一本増やせよ、力押しでなんとかなるだろ」
「ひっ!!いたい、いたい!!やめて、も、やめ..」
「チッ、埒あかねえから突っ込んでいい?」

そう僕の後穴に指をいれてる人に一人の男が言った。
僕の後穴から指が抜け、乱れた呼吸を整えていると指より更に太いものが僕の中に入って来た。

「うっ、ああああああああ”やっいたい、ああ"も、や    」
「おい、こいつ失神したんじゃねえか?おい、起きろよ」
「   」
「これだから、めんどくせえんだよ」
「なら売春婦から性病でも貰ってくればいいだろ」
「おい」

体を激しく揺さぶられて、顔を一発殴られてようやく取り戻した意識。
ただ、下半身を切り裂くような痛みは俄然消えない。

「"あれ"、使うか」
「男相手にあれはもったいねーよ」
「いいじゃねーかよ、ほら出せ」
「..ほらよ」

一人の男から男へ小さな小瓶が投げ渡される。
朦朧とする意識の中でそれを見ているが、続く痛みから何一つ抵抗はできない。
中途半端に開いた口を男の指で閉じぬように開けられ小瓶の中の液体を口内へ注がれる。

「かはっ」
「あんまり気持ち良過ぎて腹上死なんて事になるかもな」
「な、に、を」
「さあ、なんでしょう」

カランカランと小瓶は地面へ転がっていった。
しばらくして体が妙に火照って来て、頭に熱が溜まるような感覚がする。
さらにしばらくして下半身に熱が溜まる頃には僕の意識は遥か遠い所へ行った。
後からになってもここからの記憶がないのだ。

「さすが、非合法の薬は違うな。後ろがだいぶ緩くなって来た」
「はっ、あ..」
「いれるぞ」
「んっ、あっ、」
「なんかすげー食われるんだけど」
「っ、たり、ない、はやく、はやく、もっとっう」
「ほら、テメーがへたくそだからこいつが怒ってるぞ」
「持っていかれるんだって、つか、もう無理」
「早いな」
「、たり、ない、もっと、く、ださ..い..っあ」
「さっきまでとは真逆だな。あんだけ楯突いたんだからもう可愛くおねだりぐらいできるよな」
「っ、はっ、ぼ、僕の中に、そ、れ入れて、気持ちよく、して、くださいっ」
「だってよ?」

その言葉と共に僕に群がる無数の男。
一人入ってはイき、また入れ替わってもイき、何人がとか何回とかまったく覚えても居ない。
ただ、足りなくて、必死に腰を振って満たされない何かを満たすだけだった。

「ひゃっ、...うっ、まだ、..体が熱い...うっ」
「悪いけど、俺達は玉切れだからもう相手はしねーよ」
「やっ、やめないで、もっと、きもちよく、して」
「こっちが腹上死するはめになるかもしれねーからな」
「からだ、あつい、...まだ、たりない、奥が」

僕がそう呟くのにも構わず男達は自分が満足するだけ満足すると僕の前から姿を消した。
この熱をどうすればいいのかわからず、地面に散らばる自分の服を抱え込んで耐える。

『そういえばよー、あの薬一瓶じゃなくて一滴でよかったの途中で思い出してさー』
『まじかよ、結構盛りすぎたんじゃね?』
『っていうか、また買い足しておけよ。良かったし。気持ちは言いは、理性も飛んで平伏してくれるは最高じゃん』
「っ」
『おいぶつかったんならあやまれよ』
「あぁ悪かった。」
『ったく、いつからスラムは一般人が来るようになったんだよ。どいつもこいつも綺麗な身なりしやがって』

「うっ、苦しい、はっ、..あぁっ...」
「!!おい、ジュードか。帰ってこないから、探し.....」
「はっ...あ..」
「ジュード、どうしたんだよ!襲われたのか?!」
「ひゃっ、さわ、たら、うっ」
「ジュード...?!」
「誰、でもい、から、僕を、きもちよく、して」
「おい!」

とうの昔に理性は消え失せて、今自分が誰で相手は誰かなんてどうでもよくなっていた。
だらし無く開いた後穴から男達の精液が止めどなく流れ出て、それすらも感じてしまって。
それを救ってくれる人なら誰でも良くなって、縋れる所を探した。

「おい、ジュード!」
「つ、らい..イきた、い...ほし..い」
「...っ、ジュード、悪い」
「!!」


『手刀が首元を駆ける』

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -