いてぇ....
体中が痛い、それに頭が痛い。
それに体も自由に動かせない、視界は頬に出来た腫のせいで満足に見えない。
何もかもが、詰んでいる。

「おい。ジュード。」

俺をここまで追いやった張本人の名前を呼ぶ。
長い沈黙を経ても声を掛けた人物からの返事はない。
深い、深い孤独。
それは俺が幼少の頃に経験した気持ちによく似ている。

「なあ、いるんだろ...ジュード。」
「ジュード。」
「ジュード。」

何故こんなにも、憎いはずのあいつの名前を呼ぶのだろうか。
世界の片隅ので限られた一画の部屋が今の俺の全てで、その中に俺とジュードしかいない。
帰って来る声がないだけで、自分は一人孤独だと感じ憎い名前すら呼びたくなる。

「ジュー」
「アルヴィン。」
「ジュード..」
「そう、何度も呼ばなくても僕はここにいるよ」
「なら、すぐ、返事してくれよ」
「嫌だよ。..もう、何一つアルヴィンの思い通りにはさせない。」
「もう..十分、罰は受けた。だから」
「まだ、だめ。それに、返事。してあげたでしょ。」

きっとすぐ側にいるジュードはさぞ冷酷な目をしているのだろう。
機が熟し、クルスニクの槍もろともミラは散った。
あの女の契約の元、俺はジュードを殺しに来た。
しかしジュードは罠をすでにしかけていた。そして、壊れていた。

「僕ね、ミラが好きだったんだ。だから、ミラの願いを全て叶えてあげたかった。」
「...」
「でもね、アルヴィンが僕達を裏切ったりするからそんな囁かな願いすら叶わなくなった。」
「...」
「だけど、僕ね。アルヴィンを許してあげようと思うんだ。..愛してるから。」
「...っ」
「他の誰かなら、迷わず殺してたよ。でも、アルヴィンは違うから..もう僕を裏切ったりしないように、躾けてあげなきゃ...ね?」

それからジュードは俺を深い深い孤独に突き落とした。
暴力をふるい、俺が微かに呻けば「ミラはもっと痛かった」なんて言って止まる事はなかった。
拘束を解くように言えば「そういって僕を殺すの」なんて言って聞く耳を持たない。
ジュードにあるのは深い深い憎しみと、狂った愛だけ。
もう生きて果たす夢もない、このまま・・・。

「僕、アルヴィンが憎い。でも愛してる。」
「..なら。殺せばいい..」
「..僕の話聞いてなかったの?何一つアルヴィンの思い通りにさせない。」
「..タチが、わるいな..。」
「なんとでも言っていいよ。アルヴィンはね、僕が生殺しにしてあげる」

そうして、ジュードは片手を自分の下半身へもう片手を俺の下半身に伸ばした。
顔は俺の耳元に寄せて「愛してる。愛してる。」と囁く。
胸に迫り上るような吐き気を感じるが、ここで拒めばまた体に傷を作るだけ。

「..っく、はぁっ..いっ」
「あんまり、な、らしてないのに、腰下ろすからだ..」
「ア、ル..ヴィン..はっ」
「...っ、もっと、気持ちいい奴..しようぜ」
「..嫌だ」
「...はぁ..っ、こんな、不毛な..事やめようぜ」

正直、狭い中に入れさせられるのは俺も辛い。
それに苛つく俺を見てジュードは俺の首に手をかけて睨む。

「煩いよ。やるなら..痛い方がいい。」
「..は?」
「人間が出来る気持ちの共有って、痛みとか恐怖だと思うんだ..ミラだって、きっと痛かったし、そうすれば、アルヴィンともっと繋がれる。」
「じゃ..この監禁やめ」

そう言った瞬間ジュードは首元の手に力を込めた。
『だから、言ったでしょ..。アルヴィンの思い通りにさせないって。』と静かに言い放った。

「僕はね..アルヴィンを許さない。だからこうやって痛めつけるけど、それじゃあアルヴィンが僕の事を愛してくれない。だから痛みを共有するんだ。」
「根本的に..愛されないとか考えないのか...っ?」
「何言ってるの?アルヴィンはきっと僕を愛する事しかできなくなるよ?」

そうしてジュードは血と先走りの液で中をぐちゃぐちゃにし、俺の上で腰を動かした。
キツいジュードの内壁に擦られて搾り取られるように射精を誘導され中に吐き出す。
体中の痛みに加えてこの吐精感。不毛だ、と消えそうな声で吐き出した。

『Asher T. Ashes』

それからもジュードは俺を監禁し続け、時折暴行を繰り返す。
暴行を繰り返してはジュードは自分自身を傷つけた。
傷つけた後は『これでミラと、アルヴィンとも、一緒。痛い。』と顔を緩ませた。

この監禁を経ての最期、行き着く場所はわかりきっている。
彼女は散ってしまった。
それをジュードが共有したいのならば、俺はジュードと共に散らないといけないのだろう。

「何言ってるの?アルヴィンはまだ逝かしてなんかあげないよ」
「...」
「ミラは好き、でもアルヴィンは愛してる。だから、2人で堕ちる所まで堕ちようね」
「..ジュー..ド」
「そうしたら、赦してあげるよ。」

そう言って、ジュードは拘束に使っている鎖を引っぱり唇を落とした。
そして満足そうに鎖をベッドに投げ出してジュードはまた、俺に多いかぶさりこう言った。

「もっと、もっと堕ちて二人で苦しもうね、アルヴィン。

"これは、罰なんだから"

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