俺は端末から印刷した写真を、ある男に頼んで学校の掲示板に貼らした。
するとどうだろう、彼等はたちまち彼に対して汚物とばかりに彼を見た。
それはそうだ。俺がわざわざ強姦とも思えないように写真を少し加工したからだ。

本当は一遍の曇りもない綺麗な人。
これは他の人には見せたくないし、あげたくもない。
だから、俺が独り占めする。


『Fake tolerance 7』


彼は狙い通り、あの写真を見るなり校舎から飛び出て来た。
彼と出会うには不自然じゃない場所で彼を捕まえようと路地で待ち構える。
君を、ジュード君を救ってやれるのは俺だけなんだ。

"!!"

「ジュード君?どうした、泣いてるじゃないか」
「!!!ア、アルヴィン、さん...」

彼は俺の目の前で、更に号泣をはじめてしまった。
そんな彼の肩にそっと手をあてて引き寄せると更に涙は止まらなくなった。

「ア、ヴィンさ、ん..ぼ、僕、なにも、してないのにっ、して、ないのに!」
「ジュード君...?」
「みんなが、僕を、...あの人が僕を見て..る、嘲、笑ってる...嫌..嫌、怖い」
「...」
「....あ、ごめんなさい...ごめんなさい、アルヴィンさんに言っても、どうしようも...」
「俺なら」
「...え」
「俺ならジュード君の事を守る事ができるし、嘲笑ったりしない」
「ア、ルヴィン...さん........」
「でも、俺はジュード君が嫌な事はしたくない。」
「...守って...守って下さい。僕を...僕を!!アルヴィンさんだけが..僕の..」

"味方なんです"と呟いて彼はぐったりと俺の腕の中で気を失ったらしい。
計画通りに思わず顔が歪みそうになるが我慢し、彼を俺の家に連れ帰った。
やっと、手に入れた。

「アルヴィン..、鍵、ちゃんと締めて出てね。」
「あぁ、わかってるよ。」
「僕、もうアルヴィンだけ居ればそれでいいんだ。」
「友達とか家族はいいのか?」
「いいよ、あんなの友達じゃない。それに僕を助けてくれたのはアルヴィンだけ。」
「...そっか。」
「だから、僕ずっとここにいる。ここなら、怖くない。アルヴィンが守ってくれるから...」
「わかったよ、仕事終わったらすぐ帰って来るからな。」
「うん!」

俺は外鍵だけのドアの鍵をしっかりと締めて家に出る。
壊れてしまった彼がそう望んでくれたから。
俺は家から出て、離れた所で顔を歪ませる。

これで、俺だけのもの。

羽を千切ってしまっては、もう飛び立てない。
あいつは一生、俺から離れる事はできない。

「ジュード、愛してやるよ」
「アルヴィン...大好き」

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