トライバースの世界から辿り着いた場所は時空が歪む場所。
切れ切れの文章から推察するに"世精ノ途"と呼ばれる場所。
その文脈から判断するに、世界を隔てる物が無くなると同時に消えたらしいが。
まあそれも神話にすぎない話に近い上にここに入った人間も少数らしいから実際はわからない。

『彼等は己の力を信じ、各々は世界の行く末を決める戦いへ向かった。』

これだけ時空が歪んだ場所だ。各々になるのも仕方がない。
僕は周囲に気を配り崩れそうな足場を慎重に進む。

"!!"
「アスティオン」
"!!"
「...まったく油断も隙もない。」

僕の足下に獣の死体が一つ転がった。

「僕の世界とルカくんの世界、ここ、随分生態系が違うんだな。論文に書けそうだ。」
「..!ダンシングエッジ!」
「...進もうか。」

思う以上の敵の出現、足場の不安定さ。
微かに残る次元の扉。僕は運がいいのかもしれない。
だいたいは入るのみで扉は消えてしまうのだから、それもこの時空が歪んでるせいなのかもしれないが。

「―散華!!飛天翔駆!!...やっぱり敵が多いな、皆も無事だといいけど..進もう。」

少し進んだ先で彼を見つけた。
黒い髪、黒い衣装に身を包み、小柄な体から魔物を蹴散らす程の攻撃。
横目で後方にある次元の扉を確認する、扉はまだ残っている。

「く、挟まれた!..うん、一匹づつ行こう。」
「..大変なら、僕が手を貸そう。」
「誰?!」
「そんな事聞いてる場合かい?敵が来るよ」
「...!」

そうして僕達は一体一体的を倒して行く。
最期の敵を倒すと同時に開いていた本を閉じ、彼を見つめる。

「これで終わり、かな」
「貴方は、一体..」
「気になるかい、ジュード・マティス君」
「なんで、僕の名前を..!?」
「その話の続きはゆっくり聞かしてあげるからね、ジュード君。」
「うっ」
「おやすみ。」

あのスパーダ君でも気を失ってしまう程だ、彼がすぐ目覚めるという事はないだろう。
僕は彼の体を担ぎ次元の扉を潜る。

「この扉と世界が公であれば、僕は歴史を変える大罪人、かな。」

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