「だって...アルヴィンが教えてくれたよね...?」
「おい、ジュード」
「大切なものは繋ぎ止めて離さないって、僕を閉じ込めて繋げたよね」
「おい..」
「だから僕もアルヴィンが大切だからこうやってあげるね」
「..冗談だろ?」
「冗談じゃないよ?だって、アルヴィンが教えてくれたじゃない」
「...逃げないから、せめてこれ解いてくんない?」
「駄目だよ。そうしなきゃアルヴィンは僕を裏切ってどこかに行っちゃうから」
「...」


『監禁ファイルRouteX』


俺は拘束された、この目の前の少年によって。
俺が監禁してから少しずつ、少しずつおかしくなって壊れてしまった。
明くる日ベッドの上から居なくなったジュードは気がついたら俺の背後に居た。

「ねえ、アルヴィン、僕アルヴィンの事好きだよ」
「..」
「僕、ちゃんとアルヴィンの精処理もできたし、殴られても我慢したし、薬を投与されても嫌な顔しなかったよ。」
「ジュード...もう言わないでくれ」
「だからアルヴィンも僕の事好きだよね。大好きだよね。」
「もう辞めてくれ...いつものお前に..」
「いつもの僕?僕をこうしたのは、こうしなきゃいけなくしたのはアルヴィンだよ。」
「...」
「だからアルヴィンとここでずっと一緒に居るんだ。」

瞳孔は暗かった。口元だけ笑っていた。恐怖を感じてしまった。
たしかにこう育てたのは俺かもしれない。いや、俺だろう。
もしかしたらジュードの目には俺はこう映ってたのかもしれない。
ただ、俺がこう普通なのは、それが自然で卑屈で体ばっかり成長したからかもしれない。
こころもからだも少年のジュードにはさぞかし絶望だったのかもしれない。

「探さなくていいのか?」
「誰を?」
「ミ..ミラだろ」
「ミラって、誰...?」
「冗談はよせ」
「冗談?僕の世界はこの部屋だけで、僕とアルヴィンだけだよね?」
「ジュード..」

抱きしめたかったけど抱きしめられなかった。
物理的に、精神的に。俺がここまで追いやってしまったのか。
うつむいてるとジュードが抱きついて来た。

「アルヴィン...一緒に居てくれるよね」
「...」
「居てくれなきゃ、僕が殺しちゃうかもしれない」
「あぁ...」
「だから、アルヴィン、好きだよ」
「...俺も..だ」

結界が破られ、精霊が死に、自然が消え去り、人間が潰えたとしても
世界の終末まで、一緒に居よう

「それが、俺の責任...か...」




本編のジュードなら何があってもミラは忘れない。

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