Scrawl
12/28 ( 15:15 )
「なんでこんな事に……」
僕の身体は数時間前までは男の肉体のはずだった。
アルヴィンから”お土産”と手渡されたシャンドゥ産の怪し気なドリンクを飲むまでは。
「栄養剤って言わなかったっけ?」
「俺にとってはかなりの栄養だと思うけどな」
「ひゃ……!」
アルヴィンはそう言って、僕の肉体に産まれた豊満な胸を触った。
嫌らしい手付きをするアルヴィンの手を片手で払い、その胸を両腕で隠し彼を睨む。
「俺さぁ、アイドルプロデューサーをしてみたいんだよな」
「話の意味がまったくわからないんだけど…!」
「エルやエリーゼは子役としてやっていけると思うんだよ。ジュードくんはそのままでも十分イケると思うんだけど、源霊匣の研究者がアイドルなんて良い見方されないだろ?」
「あ、当たり前でしょ!」
「だけどさ、ジュード・マティスは男だって皆知ってる。だけど限りなくよく似た別人なら、売り出せるし。反対派の奴らだって凄く可愛いアイドルにそっくりだったら反対しにくくないか?」
「僕は僕の研究で理解して貰いたいんだよ……!」
「それにアイドルになる事によって研究者としてだったら知り得ない情報を得られるかもしれないぜ?」
「……」
「だからさ、いいだろ?」
「……真剣な顔して胸揉むのやめてくれない?」