Scrawl


04/18 ( 22:50 )
夢を見た。
黒い髪で、黒いスーツを着て、仮面を身につける男に殺される夢を見た。
俺もジュードも、皆死んで水に浮かぶ怖い夢だった。
沢山の分岐した世界を見た俺はいつしかこれが現実に待ち受ける運命のように思えた。

「ちょっと、アルヴィン……! これっ、どういう事……?!」
「なんか、こうしないと俺もおたくも死んでしまう気がするんだよ」
「夢の話でしょ?!」
「そうだ、夢の話だ」

夢の話をジュードに話してから俺はその夢が現実になるような恐怖心を抱くようになった。
だからその恐怖から逃れる為に俺はジュードを折檻した。

「そんなの僕は信じる事ができない……僕にはやらないといけない事が……!」
「それでもこうしてないと俺はおたくを失ってしまいそうで怖いんだ。……だから、救ってくれ」
「……世界が死んでしまうかもしれないのに」
「俺は世界とか大きいものよりも、ジュード。おたくを失う方がその何倍も怖いんだ」

俺の勝手な恐怖と愛情はジュードの顔を歪み俯かせた。
そしてカナンの地のカウントがひとつ、増えた音がした。


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