「…何してるの」
「サンタ!」
飛段のバカが本当にバカになったみたい。クリスマスで何浮かれてんだか知らないけど全身真っ赤なコートに白ヒゲはやめて欲しい。
「お前は何が欲しいんだ?飛段サンタが叶えてあげよう!!」
ああ本当にイカれちゃったみたい。片手を耳に片手を腰に覗きこむようわたしを見るその目にこの世界はそんなにキラキラして見えるのか。
「新しいテレビが欲しい」
「それは金銭的に無理!」
チッ、使えない。
「じゃあ飛段でいいよ」
「おう!それなら金かかんねーな!いいだろう!」
ガバッと上から飛段が覆い被さる。世界の子供たちよごめんなさい。サンタクロースはわたしが1日独占することになりそうです。