「それは憧れだよ」

私が大事にしてきたこの感情はどうやら恋とは違うらしい。幸村部長はなんでもわかってますよという目でクスクス笑う。

思い返せば何年間も付かず離れずの距離を保っておいて告白する素振りはない。そんな勇気はないし、フラれたら多分私は立ち直れない。ずっと一緒にいたいと思う気持ちは確かにある。


「でも、仁王君の側は居心地がいいんです。安心するんです。」
「そりゃあ君たち友達歴が長いからじゃないか」
「……」

何も言えない。


「なあ、お前らって付き合わねーの?」
「お前らって誰よ」
「お前と仁王に決まってんだろぃ」
「ん〜…」
「いっつもくっついといて肝心なとこなあなあなのな」
「うっさいブン太に何がわかる」
「怒んなって。親切心、ってか親心だろぃ」
「……」
「んだよ」
「幸村部長に…お前のは恋じゃなくて憧れだって言われた」
「はあ?」
「感情を言葉に替えるのって難しいね…」
「やー、お前それ気にすんなし」
「なんでよ」
「だって幸村部長お前のこと好きじゃん」



えええええええ!!!???





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