彼はキングと呼ばれているらしいが、私に言わせてみればまだまだ子供だった。
「おい」
「なによ。歳上はもっと敬いなさい」
「誰がお前なんか」
中学生のガキんちょがちょっと部活で活躍してるからっていくつも歳の離れたおねーさまをお前扱いって酷くない？
「あ、そういえば」
「？」
「就職先決まった」
「そーかよ」
「でもね、職場が少し遠くて…」
「ふうん」
「マンションを借りて、私、そこに住むことにしたの」
は、待て待て意味わかんねえと急に立ち上がる景吾はやっぱり美形だった。女の子にキャーキャー言われてるんだろうなあ
「ってオイなんで俺の傍から離れんだよ」
「暴れだしたらやだなと思って…」
「んなガキみてえなことしねえよ」
「ガキじゃん」
「ガキじゃねえ！！！！」
ほらやっぱり怒鳴る。耳がキーンとした。
「お前は、」
「ん？」
「いつになったら俺を男として見んだよ」
「……」
「身長も抜いた、学力だって、お前が入れなかった氷帝で首席を取った。」
「……」
「いつだよ…何すりゃいいんだよ」
「ごめんね景吾。泣かないで」
ゆーても実の弟だしなあ。