学校始まりました
入学式も無事すんだ。教室に入ると知らない人達に次々と話しかけられて元アメリカ住みだと言うとさらにクラスのほとんどがわたしの席に集まってわいわい騒ぐ。たくさんの質問攻めにもあってなんだか疲れた。
「リョーマはどう?クラス。」
「特になにも」
「またそんなこと言ってー。愛想良くしないと友達できないぞ!」
いいんだけどね。名前がいれば友達とか別に。
本人は気付いていないようだが彼女はかなりの美人だ。小さい頃から激しい運動をしていたからだろうか。細くて長い手足に小さな顔。ぱっちりした目は瞬きする度に長い睫毛を揺らし、ふわふわと栗色の髪は白い肌を際立たせる。そのためいつも周りには人が絶えない。ただ一回、あの時を除いてはー…
「さ、早く行こう!今からテニス部、見に行くんでしょ?」
「まあね」
この春、青春学園には天才テニスプレーヤーがふたり同時に入学したことになる。が、学園中は美男美女が入学してきたという噂で持ちきりだった。