どうして必要以上に好きになったり嫌いになったりするの


「お前なんか大嫌いや。」

昨日までうざいほどかまってきた謙也はフッたとたんこれ。

「…で?」

「なんも。それだけ。」

あっそうじゃあさっさと消えろよカス

先ほど大嫌いと言われた謙也と同じ教室で授業を受ける。化学の実験は不本意ながら同じ班。謙也は異常に顔を背けて目が合えば睨んできた。なに?いちいち過剰反応して、それって逆に疲れると思うんだけど。


「なあお前謙也と喧嘩でもしたん?」
「別に…白石には関係ないで」
「せやけど最近あいつ部活でもカリカリしとるっちゅーか…かと思ったらいきなり魂ぬけた顔しとるし」
「迷惑なやつやな」
「仲直りしてやってくれへん?」
ほんと、そんなんじゃないんだけどな。


謙也のめんどくさい攻撃が始まって約2週間。最早慣れてきた。正直あれだけベタベタしてきた男がいきなり避けてきたらそれなりに寂しいけど以前が気持ち悪い範囲に入ってきてたしなんかもう呆れた。



「ちょお待て」

帰り道声を掛けられた。謙也に。

「…何?」

「ほんまは俺、お前のことまだ好きやねんけど…」

顔を赤らめて、なんなの


「悪いけど意味わからん」

「態度が悪かったことは謝る。あんくらいせえへんとお前のこと忘れられへん気いしたし…」

「したし?」

「俺の存在のでかさに気付いてもらいたかった。」



「……。」

はあ、とため息が漏れる。私達が友達だったことは一度もない。











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