どこにいるとか、なにしてるとか、わからなくなってどれくらいたつんだろう。絶えず耳に入るあなたの噂は到底誉められるものじゃないけどどんなに濁った感情が心にこびりついた彼も誰もいない場所で密かに抱きしめてくれた彼も私の中では同じだから、だから、

「私はあんたみたいに泣かない」

「……何が言いたいの」
「暁に入ったくらいで、なによ」
「…サスケ君は、あんただって捨てたんだから」

自惚れないでよと小さな声が宙を舞った。ぽたぽたと一部にだけ降る雨は止まらない。

サクラはよく泣く。悲しいことがあるとすぐ泣く。泣いたってどうしようもないのに。


目を閉じて、何度も何度も彼との記憶を手繰り寄せるけどいつも同じところで途切れて消えて、声も体温も笑った顔も思い出せなくなったらどうしようと膝を抱えた。

三日月が空に浮かんで、こんなに森の奥のしげみにいる私でさえも照らしてしまう。辞めてよ。隠してよ。そうじゃないから、いっそのこと私だけを照らしてよ。

あなたが誰と共にいようがどんなことをしようが私は恐れない。だけど、側にいてくれないのはやっぱりすごく辛い。










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