※跡部が女



跡部ちゃんはすごくモテる。頭もいいし、運動神経もいいし、もちろん容姿も一級品。廊下を歩けば男子がわいわい騒ぎ、細くて長い手足やさらさらの髪は誰もが羨む。テニス部に所属していて全国大会にも出場するらしい。出来る人はなんでも出来るんだなあ。


ある日の放課後、強制的に補習を受け途中先生を泣かせてしまった。「俺がこんなに親身になって教えてるのに再テストで2点てどういうことなんだ〜っ」ごめんね先生。

はふう、とため息をついてすっかり暗くなった空を見渡す。グラウンドには誰もいない。そりゃそうか。

あれ、あれれ。
足早にテニスコートを横切ろうとした瞬間確かに人の気配がした。止まってよく見てみると跡部ちゃんがいたなんでこんな時間に。跡部ちゃんはひとりひたすらボールを打って、あーでもないこーでもないとぼそぼそ呟くと再びボールを打つ。こんな寒いというのに彼女はテニスウェア1枚でよく見ると大量の汗をかいている。10分くらいその様子を眺めていたが見たいドラマが始まりそうだったのであわてて学校を出た。跡部ちゃん風邪引かないといいけど


次の日の朝学校に行けば跡部ちゃんはいつもと変わらず長い脚を組みイスに腰掛け人の輪の中心にいた。

「昨日の夜寒かったねー、わたし、犬の散歩に行こうとしたんだけど寒すぎてやめちゃった。跡部は昨日何してたの?」

「わたし?わたしは昨日部活終わったらさっさと家帰ったわ。寒いの嫌いだし。」


跡部ちゃんの嘘つき。






20110124

女の子にした意味(笑)








人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -