「ただいま」 急な夕立だった。外ではざあざあと窓をたたき付けながら大量の水が流れてく。 今さっき帰ってきた忍も頭からつま先まで雨でびっしょりと濡れていた。 髪の毛から頬へと伝う雫や張り付く服から透ける肌色は故意なものではなく必然的にそうなってしまっただけだ。 なのに 俺は今欲情してしまってる。 「宮城?」 「あ、あぁ。悪い、なんだ?」 「風呂入るからどいて」 ちょうど扉の前に立っていた俺は少し横にずれて風呂場で衣服を脱いでいく忍を見つめた。 あらわになる上半身は湿ったように濡れていて髪の毛から床に落ちる様がやはりどこか色っぽい。 「宮城、そんなに見られると恥ずかしいんだけど」 昨夜もその前も散々抱いた体なのに、沸き上がるものは止まらなくて。 「え、ちょっと何」 気づいたら自分も風呂場に侵入し余裕のないキスと 「抱きたい」 自分でもわかるぐらい熱っぽい一言を耳打ちする。 腕の中にある冷たい体がびくりと強張り、ぎこちなく伸ばされた腕が首に絡む。 「どうしたのかわかんねーけど…責任もってあっためろよ」 掠れるような声がまた情欲的で瞼が閉じられたのを合図に唇を合わせた。 窓をたたく雨はまだ止みそうにない。 奪われたのは、 (視線、心、体、すべて) |