※「早く帰ってこい馬鹿共が。」の続きらしき産物。 大好きな帝人くんと帰る約束をしていた。待ち合わせは校門前。時間は特に決めたわけじゃないけど周囲が閑散とした状態から見ても絶対待たせてると思う。 「折原くんが好きなの。無理なのはわかってるけど…遊びでも構わないから付き合ってください」 目の前に居る女と二人だけの教室は居心地が悪い。 無理なのはわかってる?あたしなら大丈夫って顔してるくせに。だからわざわざ告白なんてするんだろ。それに遊びに付き合うほど俺は暇じゃないし、大方口だけだ。「あたしを一番に見て」とかなんとか言いはじめるさ。 俺が好きなのは帝人くんで、それ以外の人間なんて興味もない。それが校内一可愛いと言われてる女だってだ。 「臨也」 「帝人くん」 「途中から盗み聞きしてた僕も悪いけど、あんな言い方は酷いと思うよ」 「なんで?正直に言ってあげた方がいいじゃない。帝人くんは優しすぎるよ。まあそんな帝人くんが好きだからいいけどね」 俺の好きな人?は?君なんかが聞いてどうするの?けど特別に教えてあげるよ。俺は君とはまったく似ても似つかない人間が好き。だから早く消えて。 あの女はもう居ない。泣こうが叫ぼうが死のうが関係ないし何も思わない。それより今この状態が嬉しい。早く出たかったこの教室も帝人くんと二人なら別。ずっとずっとこうしてたい。俺は帝人くんが居ればいい。二人だけの世界でただ帝人くんだけを見て生きていきたい。帝人くんは… 「帝人くん」 「何?」 「俺は帝人くんが好きだよ、愛してる。さっき女に言った台詞聞いてたでしょ?帝人くんはあんな奴とは違う。ねえ、帝人くんは誰を想うの?」 「わからない。でも臨也は 嫌いじゃないよ。 うざいけど、そう後ろを向く背中にやっぱり好きだと抱き着いた。 |