「帝人くんの肌さらさら。白くて滑らかで…。ずっと触っていたいぐらいだ」 「な!臨也さんみたいな事言わないでください」 「…前も塗ってあげるからこっち向いてごらん」 「へ?いや、前は自分で出来るので大丈夫です。ありがとうござ…い…ました」 お礼で下げた頭を上げると 「やあ、帝人くん」 ニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべる臨也さん。 (臨也さん…?) 「なんでこんなところに居るんですか?」 「さっき新羅がもう一人連れが居るって言ってただろ。それ俺なんだ。あ、ちなみになんで来たかと言うと…聞きたい?」 「(嫌な予感しかしない)」 「聞きたいだろ、なら教えてあげよう。それは…帝人くんが居るから!愛して愛してやまない帝人くんが居るなら俺はどこへだって行くよ。北極だろうが、宇宙だろうがね!」 (どうしよう、かなりうざい) 勝手にべらべらと喋り出す臨也さんに深い溜息が出る。 「…って訳だから、とりあえず日焼け止め」 そう言って僕に伸ばした手がバチンといい音を立てて振りはらわれた。 「正臣?」 「何かな、紀田くん。邪魔する気?」 「臨也さん、帝人嫌がってるじゃないですか」 「帝人、早くあっちでビーチバレーしよう」 正臣に腕を引っ張られ立ち上がる。 が 臨也さんがもう片方の手を取ったので動けずにいた。 すると臨也さんが何を企んでいるのか正臣を手招きする。 渋々といった感じで正臣が僕の腕を離し臨也さんの近くに寄ると、僕に聞こえないように何か耳打ちをした途端正臣が血相を変えて遠くへ駆けだした。 「何したんですか?」 「いや、別に」 相変わらずニヤニヤとよくわからない笑みを浮かべる臨也さんに 正臣大丈夫かな、と思いながら背を向けると 「随分と無防備だね、俺が誰か忘れた?」 (しまった!!!) 僕が振り向くより前に肩を掴まれ仰向けに押し倒される。 「った!」 背中を打った衝撃で目を瞑り、また開くと唇と唇が触れてしまいそうな距離に臨也さんの顔がある。 「ちょ!」 「帝人くんさー本当に自覚ないよね。ってか鈍感?俺は油断も隙もある方がやりやすくて良いんだけど、誰にでもこうされちゃうと困っちゃうんだよねぇ」 言葉と言葉の合間にする呼吸が顔を、左手が髪と頬と唇を撫でて、妖しく揺れる瞳が僕だけを映した。 こんな至近距離で他人と触れあう事にあまり馴れていない僕は心臓がバクバク煩くて全身が熱くて、脳みそも全部溶けてなくなるのではないかと思うほどに緊張と羞恥心に襲われていた。 そんな僕の反応が楽しいのか、臨也さんは小さく笑い額を合わせてさらに深く深く僕を飲み込もうとする。 「帝人くん。俺だけのものになりなよ」 何言ってんだ、この人とか、ふざけるのも大概にしろ、とか言いたい事が山ほどあるのに無力な僕は抵抗すら出来ない。 頭がぼーっとしてきて考える事をやめようか、このまま身を任せた方が楽なんじゃないか。と思っていた時 「いーざーやーくーん」 これまた聞きなれた、いや来てほしかった人物が。 「げっ、シズちゃん」 「何してんのかなーこんな真昼間から公共の海で」 「どうしてこうタイミング図ったように…。あー本当にウザい」 「そりゃお互い様だな、ちょっと遊んでやるから帝人から離れろ」 「俺はシズちゃんと遊ぶなんてごめんだね。遊びたいなら他当たってよ」 「生憎テメェを殺す遊びなんでね」 臨也さんが素早く身をひるがえすといつもの喧嘩と言う名の戦闘が始まった。 僕はほっと一息ついてその二人を眺める。 いつの間にか綺麗だった海岸がめちゃくちゃな事になり、泳いだりして遊んでいたたくさんの人も帰ってしまった。軽くプライベートビーチだ。 「あれ、兄貴何してんの」 轟音の中聞こえた声に振り向くとやっぱり静雄さんの弟さんであり有名な芸能人である 「幽さん」 どうして? 気持ちが顔にでも書いてあったのだろうか。 幽さんは撮影でこの近くへ来たそうで、静雄さんもちょうど休みだったらしくたまには息抜きにでもとこの地へ誘ったらしい。 「けど、息抜きどころか」 「殺す殺す殺す殺す殺す」 「シズちゃんってほんとバカだよね」 …逆効果じゃ。 苦笑いを浮かべる僕に 「何か飲まない?」 と話しかける幽さんに、そうですねと相槌をうって僕等は飲み物を調達しにその場を後にした。 Wonderland (たぶん今日も平和です。) 「静雄さーん、休憩しませんか?」 「あれ、帝人くん俺は?」 「おー今行く。じゃあな臨也」 「え、ちょっと何それ」 「静雄さん、見てください!新商品のアイスです!でも味が二種類あったので、どっちも買っちゃいました。だから、僕と半分こで食べませんか?」 「半分…こ」 「けどまずどんな味か気になるので、はい。あーん」 「!?」 「僕にもそっちくださいね」 DEAR 通りすがりA様!(来良組で海に 総受け) ▽帝人くんマジ天使!← 期限に間に合わず申し訳ありません! 大変遅くなりました。 臨也さんがでしゃばりすぎなのは乃野が臨也さんのウザい感じが大好きだからです(ちょ)なんだか俺得話になってしまった…!(いつもですが)ほんとはドタチンとか青葉くんとか出したかったんですが収集つかなくなりそうだったので、こうなりました。物足りなかったらすいません。 |