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拝啓、山本武のファンの皆様。
俺の彼氏は変態です。






鏡に映る自分の姿が本当に痛い。残念とかを通り越してる。何が楽しくてこんな女子高生の格好をしなきゃいけないんだろう。

「ツナー入るぞー。…おぉ!やっぱ可愛いなぁ!さすが俺の彼女。スカートの丈も最高じゃん」

すべてはツっこみ所満載なこの発言をするこいつにある。

「脱ぐ!」
「待て待てツナ。それは俺の役目。とりあえず、写真撮らせて」
「とりあえずの使い方違うだろ!って勝手に撮るな、ばか!」
「あーぶれたからもう一回」
「撮らなくていいから!大体撮ってどうすんだよ」
「一人で寂しい時に見る。…続き聞きたいか?」
「嫌な予感しかしないから遠慮する」
「ひでー。でもツナが毎回相手してくれるなら使わないのな」
「………脱ぐ」
「あー!悪い悪い。使わないから、印刷して部屋に飾るだけだから待て!」

シャツのボタンに手をかけた両腕を万歳をする様なポーズで山本に止められる。

「ツナ、ごめんって。一個だけお願い聞いてくれたら脱いでいいから」
「何?」
「ヤらせ「却下。なんでいつもそうなの、山本って」

見かけは爽やかなのに。そんな爽やかさに騙されて良いようにされてる俺が言えないけど。

「じゃあ三分考えさせて」
「無理に考え出さなくていいよ。俺、脱ぐから」
「ふーん。獄寺やみんなにツナがコスプレしたって言っちゃおうかなー」
「な!ずるい!山本がやれって言ったのに」
「そんなの言わなかったらわからねーし」
「っ!わ、わかったよ。三分だからな!思いつかなかったら脱ぐ。変なこともだめ!」
「はいはい。あ、ツナ俺の鞄取って」

自由になった手にほっとしてると床に座った山本に言われたため、部屋の扉近くに置いてあった鞄を取りにいった。

立ったまま鞄を持ち上げると



カシャ。



聞いたことのある機械音にまさか、と思いながら後ろを向くと…。


「ツナは今日青かあー。パステルカラーがよかったのにな」



座っていたはずの山本が床にねっころがりながら携帯を向けていた。付き合ってからの経験でわかる。こいつ、やりやがった。

「ってぇ!」

取りにいった山本の鞄を思いっきり頭に落とす。

「何してんの、山本」
「盗撮」
「携帯貸して」
「やだ。ツナ絶対消すから」
「当たり前。早く貸して。怒るよ」

携帯を引ったくり、取り返されないようベッドに上がり操作する。確認すればいつ撮ったかわからない俺の写真ばかり。なんて恥ずかしい事してくれるんだ、と考えていたら夢中になり気づかなかった。目の前に山本が居るのを。

「あ!」

操作途中の携帯を簡単に奪われる。そして息つく暇もなく押し倒された。

「やまも…!」

荒いキスで言葉が続かない。呼吸も出来ない。抵抗していた手も山本の片手で押さえられてしまってスカートの中で太股を這うように撫でる手つきにされるがまま。

「ちょ、ばか!やめて」
「ツナ、三分考えたんだけどヤらせて」

眩しいぐらいの笑顔が近い。

「さっきと変わらないじゃん!」
「だってツナ可愛いんだもん」
「女の子がいいなら別に俺じゃなくても…」
「だーめ。ツナが女子高生の格好してるからいいんじゃん。別に女子高生が良いわけじゃないし」





ツナだから。




なんて耳元で囁かれてしまえば「優しくしてよ」としか言えなかった。



そのまま中途半端に脱がされた制服は汗やら何やらで汚れてしまい早く脱ぎたかったのに、

「ツナ厭らしいー。誘ってんの?」

とめでたい頭の山本のせいで結局最後まで身につけたままだった。



こいつと俺の桃色事情
(衣類は廃品回収で大丈夫って言う馬鹿を叱ってください)