「忘れて」

あなたがその言葉を口にする度、表情だとか声のトーンとか、僕の中で忘れられないものが増えていく。あなたはその事を知っている。そして困ったような顔をして僕の耳元で囁くんだ。


「どうしたら忘れてくれるのかな」


ずるい、本当にあなたはずるい。本当は忘れてほしくないくせに。あなたの事を忘れられない僕をあなたは忘れていくくせに。



(忘れるなんてできない)
(2010.11.12)
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -