fiction | ナノ
◎ほんわかと性的表現が出てきたり 変態

「擬音。」
「何スか名前っち。」

衝突に呟いた単語に良しも悪くも黄瀬が食いついてきた。仕方がない。私が先ほどまで考えていたことを話してやろうか。

「擬音語,いいよ。」
「擬音語てまさか…。」
「そのまさか。」

私の顔を見ながら黄瀬が大きく目を見開いた。それを見つめる私はなにか言えよと言わんばかりに,顎と目線を使い黄瀬を威圧すると,観念したように渋々と黄瀬が口を開く。

「ぐ…ぐちゅり。」
「ナイス擬音語。」

かっ,と目を見開き黄瀬のことを食い入るように見つめると,彼も調子に乗ってきたのか「くちゅり」だとか「ちゅ」だとか擬音語を乱発し始めた。

「びっしょり。」
「んー,それ擬態語じゃない?」
「あー,そっか。」
「理解してないでしょ黄瀬。」

擬音語の言い合いをする私たちは傍から見ればどんなに奇妙な奴らだろう。途中目の前を通った赤司は見るからにドン引きといった様子で,黒子にはガンスルーされてしまった。何か反応してほしかった。

「どぴゅっ。」

「…はっ!」
「…はっ!」

耳元で囁かれたその言葉に反応して,黄瀬と私は瞬時に首を後ろに動かした。

「青峰!」
「青峰っち!」
「なんか面白いことしてんなお前ら。」

流石青峰。君なら擬音語の良さがわかってくれると信じていたよ。青峰に肩を組まれ,うんうんと頷きながら稀に見る良い顔をしている彼を見ながら「お前いい奴だな」と呟くと当たり前だと返ってきた。

「ぼいーん。」
「ぼよーん。」
「いやーん。」
「黄瀬,それもう台詞だから。」
「もうエロかったらなんでもアリじゃないんスか?」
「まあ,それもそうだな。」

2013.01.23
( ◎擬音語イイね krk/黄瀬涼太,青峰大輝 )
落ちはないし続きもない。
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