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ARBEITER

◎下ネタ

「青峰君。」

雑誌コーナーに設けられる「成人向け」というビラが下がり,そのビラの説明通り成人向け雑誌,所謂エロ本コーナーから売りものであるその本を一冊取り出し読んでいる青峰君に声をかける。すると彼は,あくまでも商品であるエロ本を読んでいた目線を上に上げて心底迷惑そうに私の方を見た。

「…なんだよ。」
「それ売り物。」
「…はあ?そんな事言いに来たのか?わざわざ?俺が読んでいる時に?よりによっていい場面の時にぃ?」
「そんなに良い場面でしたか。」
「野外プレイがバレそうなんだよ。やべぇんだよ。」

溜息をつく私を他所に,彼はまたエロ本に視線を移し今までに見たことがないような真剣な目つきで読み始めた。普段も今みたいに真剣に仕事に取り組んでくれたら嬉しいことこの上ないんだが。

「青峰君。」
「…だからなんだよ。」

額に小さな青筋を立てた彼がぶっきらぼうにそう返答を返す。なんだかんだ言いながらも私の言ったことに返答を返してくれるのは嬉しい。

「私も読みたいんだけど。」
「…あ?…ああ。」

ほらよ,そう言いながら一人分のスペースを空けてくれた青峰君に有難うと言いながら彼の隣に立ち,成人向けコーナーから一冊だけ目にとまったエロ本を手に取った。

「…お前,言ってることとやってること違くねーか?」
「いいんだよ,この時間お客さん来ないし。」
「…そうか。」

二人して成人向けコーナーに並びながらエロ本を読む私たちを見つけた緑間君に軽く1時間説教を食らったのは言うまでもない。

2013.02.01
( ◎コンビニアルバイター奮闘記 krk/青峰大輝 )
某コンビニでアルバイトする女の子の奮闘記。下ネタ多め。多分シリーズ。コンビニアルバイトという一応パロディ作品ですので,似たような作品を取り扱っている方がおられるかもしれませんがパクリ等ではありません。話の内容は全てオリジナルです。そして仕事してません。
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