fiction | ナノ
◎下ネタ注意

冬。外は見渡す限りの雪景色で部活動もお正月のため休み。私は家で,遊びに来た幼馴染の伊月と二人炬燵に入りながらテレビを見ていた。

「名前,みかん取って。」
「面倒くさいので却下。」
「太るぞー。」
「うるさい。」

ごろりと寝転がりながら首元まで炬燵布団を持ってきて少しでも暖まろうと努力をしているのに,わざわざ炬燵を出てまでみかんを,しかも他人のために取ってあげるなんて嫌に決まっている。手ー伸ばせば取れるでしょ,と言うと,それが面倒くさいんだよと返ってきた。

「取れよ名前ー。」

げしり,炬燵の中で音がしたのと同時に私の右足にピリッと小さな痛みが走る。

「痛いな!何蹴ってんの伊月ー。」

お返しとばかりに私も,炬燵の中だからどこに当たったかは定かではないがどこかに蹴りを入れた。当人である彼は痛いとも何とも発することなくただただ足だけを動かし私に蹴りを入れてくる。

「あ,なんか今柔らかいの当たった。」
「何私の胸蹴ってんの,変態。」
「まじで?あ,勃ってきた勃ってきた。」
「ほんと変態,胸じゃないわ私の太ももだわ。」
「ああ,通りで。名前の胸がこんなに弾力あるはずがない。」
「…貧乳って言いたいの?デブって言いたいの?」

そんな言い合いをしながらも炬燵の中ではまだ攻防戦が続く。

「…あっ。」
「え,何?」
「…コタツでちんこたつ…キ…」
「てねーよ黙れ変態。」

止めの一蹴をしてやったところ,彼が初めて「痛い」と叫んだ。

「てか名前これ…どうにかして。」
「近付けんな変態!」

2013.01.24
( ◎コタツで krk/伊月俊 )
…なんだこれ。
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