いち [ 12/25 ]
なんとジロくんが、おばちゃんのお孫さんということが発覚したのが約三十分くらい前の事。で、今は。
「小太郎くんて、超料理上手いCー!美味しそー!」 「まあ料理は得意な方やな。ジロくんの口に合うかは分からへんけど。」 「だいじょーぶ!小太郎くんのご飯だから!」 「なんやねん、それ。」 「こらジロー!邪魔になってるでしょ!」 「なってないCー。」
ジロくんにぎゅうぎゅうと抱き着かれながらおばちゃんのお手伝いをしている最中です。今日はカレーらしい。カレーええよな、俺カレーむっちゃ好きや。そんなことを思いながらペッタリとくっついているジロくんを見る。
「ジロくんもやってみたらどや?」 「Aー、俺料理苦手ー…。」 「大丈夫やって。まずは簡単なことからやってみよか。」 「んー小太郎くんが言うなら……。」
と言って俺が差し出した人参とピーラーを持つジロくん。人参は皮を剥くだけやからね。初心者でもすぐできるやろ。俺も俺の仕事をしながらジロくんを見守っていると、ジロくんとパチリと目があった。あれ、なんやろデジャヴ?
「ど、どしたん。ジロくん。」 「小太郎くん、俺のお嫁さんになって!」 「は?」
何を言い出すんや、この子は。
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