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にんじんと、じゃがいも、それからムースポッキーを大量に買ってこいとのこと。にんじんとじゃがいもはいいんだけど、何故にムースポッキー?しかも大量に。おばちゃんがいうには今日来るお孫さんが食べるとか言ってたっけ?


「1970円になります。」


なんでやねん。心の中でつっこんどく。いやだって値段おかしいやろ!にんじん、じゃがいもは安かったし、それはいいんだけど、ポッキー買いすぎたか?店員さんも会計するとき少しびっくりしていたし。


「……なんや、俺変な人みたいやん。」


ポッキーを袋に詰めながらポツリと呟いた。だってさっきからやたら視線を感じる。まあチラチラ見られることはあったけど1つだけ、熱烈な視線を感じるのだ。いや自意識過剰とかそういうのではなく、本当に視線を感じる。……なんやねん、居心地悪いなあ。


「なあ。」
「なっなにー?」


声をかけるとビクッと肩を震わせた男の子。わ、こいつ氷帝学園の制服着とるやん。お坊っちゃんがスーパーに何の用やねん。


「ポッキー、好きなん?」
「!う、うん!超好きだCー。だけどここポッキーなくて、残念だCー…。」
「あー…。」


やべえポッキー買い占めたの俺や。ショボン、とそんな効果音が付いてきそうなほどあからさまに落ち込む目の前の男子に心が痛む。


「よかったら、これ貰ってくれへん?」
「えっまじまじ!?いいの?君のでしょ!?」
「1つくらいかまへんよ。貰ってくれる?」
「じゃあ遠慮なく貰うCー!ありがとー!」


にこにこと笑う男の子はなんだっけ、ああ、あれだ。犬みたいだと思った。


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