いち [ 9/25 ]
マネージャーって言っても今回の合宿の間だけらしい。それはそれで良かったと思う。流石に長い間家の子とを疎かにするわけにもいかへんし、一週間くらいが調度いい。
「今日から部活に来てくれよぃ!」 「すまん。今日は用事があるねん。」 「えー、つまんね。」
頬を膨らます丸井に思わず苦笑いするが今日は先約があるのだ。朝に約束した、おばちゃんの家で夕飯のことだ。ついさっきメールがきて、学校帰りのついでに買ってきて欲しいものがあるらしい。部活に顔を出して遅くなるのも困るし、今日は遠慮しとく。
「まあ小太郎くんがマネージャーをしてくれるだけでもラッキーですし、」 「柳生ってラッキーって言葉知ってたんじゃな。」 「どういう意味ですか仁王くん。」 「なんでもなか。」 「はは、役に立てるかどうかはわからんけど、精一杯頑張らせていただきます。」 「小太郎先輩がいるだけでもう最高っスよー!俺、超頑張るんで見ててくださいね!」 「おん。しっかり切原のかっこいいとこ見とくで!」 「俺も!俺の天才的妙技も見せてやるぜぃ!」
切原と丸井が張り合うように言い合う。そんな姿は兄弟みたいで、そんなとき頭を過るのはやはり幼い時に別れた弟。俺も相当のブラコンってことやな。
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