[ 8/25 ]

にっこにこと笑う幸村を思わず凝視する。なに、なんなん?なんて言ったん、目の前の男は。あ、やべ。卵焼き落ちてしもた。隣で丸井が勿体ない!とか言っていた気がする。しかし今はそれどころではない。幸村の発言のが問題だ。


「なっなんて言うたん?」
「一度で聞かんか!たるんどるぞ霜田!」
「真田はちょっと黙っとき!」
「、む」
「だからね、テニス部のマネージャーをして欲しいんだ。」
「マネージャー?選手をマネージメントしたりするあのマネージャー?。」
「うんそのマネージャー。」
「………ちぃとキツイかもしれん。」


俺んちは父子家庭だ。おかんがいない分俺は家事をやったり色々と忙しいのだ。なんとも中学生らしくない中学生なのだろうと自分でも思う。


「大方、お前が心配しているのは家庭のことだろう。」


ノートを捲りながら柳が言う。


「おん。家庭のことさえなけりゃ手伝ってやりたいんやけどな…。」
「それなら心配ない。きちんと話をしておいた。」
「は?」
「うん。小太郎のお父さん、頑張ってきなさいって言ってたよ。」

幸村と柳が笑って頷く。おとんと話をつけた?いつ?俺そんなこと知らんかったんやけど。開いた口が塞がらないとはまさにこの事。


「え、ええええ。」
「そういう訳だからやってくれるよね?」
「いきなりすぎて話についていけへんわ。」


まあマネージャー、することになりました。霜田小太郎、精一杯やらしていただきます。

[*prev] [next#]





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -